令和8年度予算の編成等に関する建議 (32 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html |
| 出典情報 | 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》 |
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①
今後の社会保障関係費の歳出水準の考え方
骨太方針 2025 においては、骨太方針 2024 で示された「歳出改革努力
を継続する」という方針を踏襲しつつ、「これまでの改革を通じた保険料
負担の抑制努力を継続しつつ、
(略)経営の安定や現場で働く幅広い職種
の方々の賃上げに確実につながるよう、的確な対応を行う」とされた。具
体的には、高齢化による増加分に相当する伸びに「経済・物価動向等を踏
まえた対応に相当する増加分を加算する」こととされた。こうした改革を
通じた保険料負担の抑制努力の継続と経済・物価動向等への的確な対応
への双方に応えるものとすることが求められている。
〔資料Ⅱ-1-1参
照〕
このように令和8年度(2026 年度)予算編成においては経済・物価動
向等への対応が大きな課題の一つであり、今後の物価・賃金動向を注視す
る必要がある 30。足もとの物価や賃金の動向について見ると、物価につい
ては、足もとまで上昇しているものの、生鮮食品を除く総合指数 31で見る
と、令和7年(2025 年)後半から上昇率が鈍化し、令和8年度(2026 年
度)は2%前後で推移する見通しである。賃金については、指標によって
バラツキが見られている。医療・介護等の分野における全体的な賃金水準
の引上げの観点からはベースアップの取組が重要であり、各種の賃金指
標がある中で、経済政策全体との整合性に留意しつつ、経済・物価動向等
への対応を検討する必要がある。〔資料Ⅱ-1-2参照〕
②
現役世代が負担する社会保険料負担
高齢化等に伴う社会保障給付の増加が続き、それに応じて社会保険料
の負担も増えてきた。現役世代の保険料率は、年金・医療・介護の合計で
報酬の約3割(労使折半のため本人負担では 15%)に達している。今後
も医療・介護の保険料率は継続的に上昇することが見込まれている。こう
した中、近年、特に、現役世代の社会保険料負担の増加について強く意識
30
診療報酬改定は原則として今後2年間の診療報酬を定めるものであるため、足もとの物価上昇
率のみならず、将来の物価上昇率も見据えて検討する必要がある。
31 ESP フォーキャスト(令和7年(2025 年)10 月9日)
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