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令和8年度予算の編成等に関する建議 (36 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html
出典情報 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》
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(2)あるべき医療・介護分野の理想像
少子高齢化・人口減少が進む中、社会保障の持続可能性の問題は今を生
きる全ての世代にとどまらず、将来世代の利益にも大きく関わる課題で
ある。したがって、中長期的な視点からあるべき理想像を描き、そこから
持続可能な未来を実現するために今何を行うべきかというバックキャス
ティング型の議論を行っていくことも有用と考えられる。こうした観点
から、当面の改革の中心となる医療・介護分野のあるべき理想像について、
共通認識の醸成に向けて社会全体で議論を深めることが、国民の意識や
行動の変革につながるのではないか。


共通認識の醸成
我が国の医療・介護は社会保険で運営されている。社会全体で人手不足

が一層進行していく中、医療・介護サービスの持続性を確保していくため
には、ICT や AI を日常的に活用しつつ、医療・介護従事者の価値を最大
化できる環境の醸成が必要である。このためには、患者・被保険者、医療・
介護従事者が、社会保障の基本理念である「自助・共助・公助」の共通認
識を持ち、資源の全体最適が実現していることが理想である。
例えば、近未来の医療現場では、
(ⅰ)診療の前提(問診、1次診断案
の作成や、健康診断結果などの検査データの分析・疾病リスクの数値化な
ど)は AI で対応し、医師は AI の情報を踏まえて対人的ケアに注力する
ことにより、高い生産性を発揮している、
(ⅱ)また、各職種の専門性を
尊重しながら連携・分担ができており、かかりつけ医、ケアマネジャーは、
患者・利用者の状態やニーズを的確に把握し、必要に応じて機動的に他機
関と連携しつつ、過不足のないサービスを提供している、といった姿が考
えられる。
また、患者・利用者側においては、公的保険に頼る部分と自身の健康管
理(セルフケア・セルフメディケーション)で賄う部分の適切なバランス
を自らで考え実践する。あわせて、地域に根付いたコミュニティ等に参加
することで、孤独ではなく人とのつながりを感じられる安心・安全な暮ら
しが確保されている姿が考えられる。
〔資料Ⅱ-1-11 参照〕

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