令和8年度予算の編成等に関する建議 (125 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html |
| 出典情報 | 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
(昭和 26 年法律第 285 号)を見直した上で、受益者からの
適切な入場料の徴収によって公費依存体質から脱却し、持続可能な収益
構造に転換 105することで、日本が保有する貴重な国民的財産である文化
財を後の世代に着実に引き継いでいくことが重要である。
〔資料Ⅱ-5-
24 参照〕
その一環として、諸外国の例も踏まえれば、税財源として負担している
国費相当分について訪日外国人等を対象として入場料に反映するという
二重価格の導入も検討すべきである。また、訪日外国人を対象としたアン
ケートでは夜に体験したいこととして「文化」が首位となっていることも
踏まえ、各館の夜間開館日や営業時間を増加させることにより、入場料収
入の増加につなげることも検討すべきである。〔資料Ⅱ-5-25 参照〕
日本では、国宝・重要文化財について、所有者以外の者が展示を行う場
合、
「文化財保護法」
(昭和 25 年法律第 214 号)に基づく文化庁長官の許
可が必要となる。その条件として公開日数を年間延べ 60 日以内とするこ
とが設定されている。これは、博物館が所有する絵画や彫刻を展示する場
合の公開期間を制約するものではないが、所有者が公開する場合でも、こ
れに倣い公開期間を設定している例もあり、事実上の標準となっている。
集客上重要な展示品については、科学的知見を踏まえ、必要に応じ一定
の対策を講じた上で、通年での公開を原則とするよう運用を改めること
で、企画展ではなく常設展で国内・海外からの訪問客を増やし、運営でき
る収益構造に転換していくべきである。〔資料Ⅱ-5-26 参照〕
文化財の修理等について、クラウドファンディングや寄付の活用例は
存在するものの、公費以外の財源確保の取組を特に実施していない割合
が約 65%を超えている。その理由については、取組のノウハウがないこ
とを理由として挙げる例が多い。美術館・博物館等自身の経営力・企画力
を高めるとともに、文化財所有者と資金調達(ファンドレイジング)に長
けた人材との橋渡しをするための取組が必要である。また、海外では、Art
トの調査の結果、入場料を無料としている館の割合は平成9年(1997 年)の 28%から令和元年
(2019 年)の 32%に上昇している。
105 文化関係の独立行政法人が自己収入を増加させた場合、通常、事業費総額も増える傾向にある
ことから、自己収入増加分の金額が自動的に運営費交付金から減額となるわけではない。
-109-