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令和8年度予算の編成等に関する建議 (30 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html
出典情報 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》
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足もとの世界的な不確実性の高まりや財政状況の悪化を踏まえ、近年、
OECD や IMF などの国際機関においても、将来のショックに備えて財政
余力を確保することが重要な課題であるとの指摘が相次いでいる。この
点、IMF による対日4条協議では、直近の令和7年(2025 年)の報告に
おいて、日本の財政余力は「限定的」と指摘されている点を真摯に受け止
めるべきである。〔資料Ⅰ-3-11 参照〕
有事は遠い将来の話ではない。2000 年以降だけを見ても、世界金融危
機や東日本大震災、新型コロナウイルスの感染拡大が生じている。今後、
我が国の存続自体を脅かし得るインパクトを持つ巨大地震や地政学上の
有事などに備えて、財政余力を確保することは、今を生きる我々世代が中
長期的な視点から将来世代に対して果たすべき責務であると同時に、
我々自らが強靱さを備えることにもつながるものである 28。
新型コロナウイルス感染症への対応等により令和2年度(2020 年度)
以降の補正予算の規模は大きく膨らんだままである。前述したように、足
もとの GDP ギャップはほぼプラスに転じていると見られることを踏ま
えると、将来の財政余力を確保するためにも、補正予算を含めた歳出構造
の平時化を進め、プライマリーバランスの改善を進めながら、債務残高対
GDP 比を安定的に引き下げていくことが重要である 29。
〔資料Ⅰ-3-
12 参照〕
また、こうした取組を進めていくにあたっては、財政の現状や課題に対
する国民の理解を醸成し、中長期的かつ俯瞰的な視点での議論を喚起し
ていくことが求められよう。

28

こうした観点から、複数の委員より、フューチャー・デザインや独立財政推計機関に関する提
言があった。なお、フューチャー・デザインとは、将来世代は現在の政策決定に意思を反映でき
ないという問題意識に立ち、現世代が将来世代の役割を演じるなどの手法により、将来可能性(将
来世代の利益のために行動しようとする潜在的意欲)を発揮できる社会の仕組みをデザインする
ことである。
29 財政健全化目標の議論に当たっては、時間軸を含む明確な目標やそれが財政状況に与える影響
等について検討を行うべきとの意見もあった。

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