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令和8年度予算の編成等に関する建議 (158 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html
出典情報 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》
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ると考えられる 148。政府による中小企業支援においても、補助金に偏重
することなく、官民で役割分担を行い、これらの金融手法も一層活用して
いくことが求められる。また、補助金による支援を行う場合でも、金融機
関からの資金調達・経営支援を要件化するなどの工夫を講じ、中小企業の
ガバナンス強化や、中小企業がリスクマネーを調達しやすい市場の育成
につなげていく必要がある。昨年、金融機関による事業の将来性に基づく
融資を後押しする制度として、企業価値担保権を創設する「事業性融資の
推進等に関する法律」(令和6年法律第 52 号)が成立し、来年から施行
される予定でもあり、金融機関も事業性を評価する能力を高めていくこ
とが重要である。〔資料Ⅱ-8-20 参照〕


中小企業等向け補助金の課題
既述のとおり、コロナ禍以降、中小企業向け補助金の予算額・種類が大

きく増加してきた。しかし、補助金による支援が常態化する中で、企業か
らは「補助金ありきの設備投資となっている」との声もある 149。過大な
公的支援は、補助金依存の強まりやコスト意識の低下につながり、かえっ
て生産性向上や新陳代謝を阻害するおそれもある。この点、先行研究にお
いて、コロナ禍での補助金がコロナ禍以前から経営難に陥っていた企業
を温存し経済の停滞を招くリスクや、補助金による金銭的サポート自体
は生産性等に有意な効果を持たない可能性を指摘する分析もある。また、
会計検査院による令和6年度(2024 年度)決算検査報告において、新型
コロナウイルスによる企業への影響を緩和するために創設された中小企
業等事業再構築補助金に関して、補助金が過大に交付されていた事例や、
補助の対象とならない経費を補助対象事業費に含めていた事例などが指
摘されている。今後、補助金の政策効果や要件の適切性等について不断の
検証を行い、真に効果が認められるものに限定して補助金による支援を
行うべきである。〔資料Ⅱ-8-21 参照〕
また、近年、既存の補助金を維持したまま、新たな補助金を立て続けに
148

日本政策金融公庫において、新規事業や省力化投資に取り組む中小企業等を対象に、資本性劣
後ローンによる資金供給を行っている。
149 一方で、補助金は、一時的な雇用の維持には貢献したと考えられるという意見もあった。

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