令和8年度予算の編成等に関する建議 (151 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html |
| 出典情報 | 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》 |
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フレームワークを提示するものがある。第一に、支援の目的や、
「負の外
部性」等の「市場の失敗」の存在といった政府が介入する必要性の有無か
ら、その妥当性を検証すべきである。第二に、補助金のみならず金融支援
等を組み合わせた最適な手法が選択されているか、専門家によるプロジ
ェクト選定、定期的なモニタリングやレビューといった仕組みにより、透
明性や客観性を担保しているか、といった観点から、制度設計の評価が必
要になる。第三に、支援により期待される利益が、支援のコストやもたら
し得るリスクを上回っているか、費用便益分析も重要である。最後に、産
業政策がしばしば財政措置を伴って実施される以上、財政の持続可能性
とも整合的であるかなど、その実施に際しての実効性が確保されていな
くてはならない。
近年は、地球規模の気候変動問題への対応や、経済安全保障環境の激化
等を背景に、先進各国で経済への国家の関与が高まっており、我が国でも
戦略分野への投資拡大等に向けた取組は必要である。しかし、上述の評価
のフレームワークを前提に、産業政策が有効たり得るのは、脱炭素分野の
ような明らかに外部性が特定される分野や、半導体分野のように国内に
与える波及効果が大きい分野に限られるとの指摘があることも踏まえる
必要がある 140。政府においては、17 の戦略分野の危機管理投資・成長投
資を促進することとしている。支援に当たっては、その目的を明確にし、
最適な手法を選択するとともに、支援により期待される利益がコストを
上回るものかを精査するなど、真に必要な支援を見極め、効果の乏しい既
存事業については見直すなど、メリハリのある取組が求められる。
〔資料
Ⅱ-8-8参照〕
イ)財源確保と合わせた多年度の官民投資の枠組み
我が国の GX 及び半導体分野への支援は、脱炭素等のエネルギー政策
上の観点や、幅広い分野に影響する技術の産業競争力強化、経済安全保障
といった複数の目的を踏まえて、必要な財源を確保しながら複数年度に
140 「激動の世界を見据えたあるべき財政運営」
(財政制度等審議会(令和7年(2025 年)5月 27
日)
)
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