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令和8年度予算の編成等に関する建議 (34 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html
出典情報 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》
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である。その際には、これまでの賃上げの成果を損なわないよう、現役世
代の保険料負担の増による可処分所得の抑制を回避することが必須とな
る。賃上げ努力の成果や保険料負担の抑制努力とあわせて、極力、可処分
所得の拡大につながる内容としなければならない。
医療・介護において、仮に給付増に伴う保険料支出の増が、経済全体の
賃上げ等による保険料収入の増を上回るときは、一層の制度改革等に取
り組むことで給付増を抑制し、可処分所得の増加につなげる必要がある。
経済・物価動向等への対応を具体化するに当たっては、各サービス主体
におけるコスト抑制の取組余地を残したまま、コストの増分を給付に自
動的に反映(スライド)させると、給付を支える保険料負担も増加し、現
役世代を中心とする家計や企業の活力を奪いかねない。
特に医療・介護の分野においては、
(ⅰ)高齢化による給付増の継続(医
療機関等における収入増)により、一定のコスト増の吸収余地があるほか、
(ⅱ)病院・診療所・介護施設の経営、人件費、薬剤費などコストに関係
する取組や(ⅲ)保険給付範囲の見直し等の制度改革等を引き続き実施す
る必要がある。こうした不断の取組と、客観的データに基づく精査を両輪
として、真に必要な経済・物価動向等への対応分を見極めることで、現役
世代の保険料負担増を可能な限り抑制することが重要である。
〔資料Ⅱ-
1-7、8参照〕


医療・介護産業の構造的見直し
過去 30 年間で、我が国の実質 GDP は約 447 兆円から約 557 兆円に増

加してきた。その増加に最も寄与したのは製造業であり、その次が医療・
介護等を含む保健衛生・社会事業である。他方、この間の就業者数の変化
を見ると、両事業は対照的である。製造業は 350 万人以上減少している
一方、保健衛生・社会事業は 570 万人以上増加している。この間、総就
業者数の増加が約 160 万人にとどまることを踏まえれば、医療・介護産
業への労働投入の増加は際立っている。
この間の労働投入量当たりの実質付加価値額を表す労働生産性を見る
と、製造業は大きく生産性が向上したのに対し、保健衛生・社会事業にお
いてはほぼ横ばいとなっている。近年の医療・介護給付費の増加率を見て

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