令和8年度予算の編成等に関する建議 (18 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html |
| 出典情報 | 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》 |
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たことに留意する必要があるものの、これらを踏まえると、今後更なる成
長を目指す上で、我が国の経済が供給制約に直面している状況であるこ
とを示唆している。
〔資料Ⅰ-1-1、2参照〕
物価については、食料品やエネルギーの価格上昇に加え、サービスなど
も継続して上昇しており、
「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」では前
年比で 3.0%上昇となっている。
〔資料Ⅰ-1-3参照〕
労働市場に目を転じれば、現在の完全失業率は 2.5%前後で推移してい
る。この失業率の水準は、転職活動やミスマッチ等により生じる「構造的
な部分」(均衡失業率)を下回っているという推計も存在する 4。
こうした中、生産年齢人口が減少する我が国においては、これまで、女
性や高齢者の労働参加率を高めることにより労働力の減少を補ってきた
が、女性や高齢者の労働参加率について一段の上昇余地は狭まってきて
いる。かつては M 字カーブが問題となっていた女性の労働参加率は、改
善し諸外国並みに近づいている。また、高齢者の労働参加率は諸外国の中
でも最高水準となっている。〔資料Ⅰ-1-4参照〕
このように、我が国の経済には、労働面からの供給制約が生じていると
考えられる 5。
(2)供給制約・物価上昇局面における経済財政政策
こうした供給制約の下で、GDP ギャップがプラスに転じ、物価が上昇
9月 16 日時点)や BNP バリパ証券による需給ギャップの試算(令和7年(2025 年)9月 17 日
時点)
)においても、GDP ギャップはプラスが継続している。
3 本年7-9月期の GDP 成長率は、輸出の減少や住宅投資の減少を背景に、6四半期ぶりのマイ
ナス(1次速報値、年率▲1.8%)となったものの、個人消費は6四半期連続のプラス、設備投資
は4四半期連続のプラスとなっており、景気は緩やかに回復を続けている。輸出については、4
-6月期が米国の関税引上げ等を背景に 2.3%増(前期比)であったことの反動が見られたほか、
住宅投資については、令和7年度(2025 年度)初めの「建築物のエネルギー消費性能の向上に
関する法律」
(平成 27 年法律第 53 号)等改正に伴う駆け込み需要の反動により一時的に大幅な
マイナスになった。
4 独立行政法人労働政策研究・研修機構による推計。完全失業率の水準と動きについて、失業率と
欠員率の関係を分析し、「構造的な部分」である均衡失業率と「景気変動に伴う部分」である需
要不足失業率(残差)に分解している。本推計においては、完全失業率は、平成 28 年(2016 年)
以降、コロナ禍の時期を除き、
「構造的な部分」である均衡失業率を下回って推移している。
5 複数の委員から、労働面からの供給制約を打開するためには、企業における人材育成、休暇制度
の見直し等が必要という意見があった。
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