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令和8年度予算の編成等に関する建議 (17 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html
出典情報 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》
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Ⅰ.財政総論
名目 GDP(国内総生産)は 600 兆円を超えた。春季労使交渉での賃上
げは2年連続で5%を上回った。他方で、物価は上昇し、金利も上昇して
いる。この 30 年間、大きな変動が見られなかった様々な経済指標に、こ
れまでと異なる変化が見て取れる。
我が国経済が「デフレ・コストカット型経済」から、再びデフレに後戻
りしない「成長型経済」に移行できるかどうか、という分岐点に立つ我々
世代が為すべきこととは何か。この機会をチャンスと捉え、「強い経済」
1を構築するためには、生産年齢人口が減少し、少子高齢化が一層進展す

る中で、供給力の強化に取り組み、潜在成長率の引上げを実現することが
求められる。同時に、
「強い経済」を持続可能なものとする取組も重要で
ある。日本経済がダイナミズムを取り戻しつつある今、財政政策が物価や
金利の上昇に与える影響や市場の信認の確保の必要性を踏まえ、財政運
営には細心の注意が払われるべきである。
令和8年度予算は、上記の認識に立ち、経済再生と財政健全化を両立さ
せるものとすべきである。
こうした取組により、今を生きる我々世代は、将来世代に対する責任を
果たしていくことが求められている。
1.経済・物価動向
(1)足もとの経済・物価動向
コロナ禍を脱して以降、経済回復と物価上昇が継続したことを背景に、
名目 GDP は大きく増加し、600 兆円を超えた。実質 GDP についても、
相対的に緩やかな勢いではあるものの、堅調な増加を続けている。その結
果、内閣府の試算では、GDP ギャップは令和7年(2025 年)1-3月期
及び4-6月期において、令和5年(2023 年)4-6月期以来1年半ぶ
りにプラス(需要超過)に転じた 2。足もとの7-9月期の GDP 成長率
令和7年(2025 年)10 月 24 日の所信表明演説において、高市内閣総理大臣は、「何を実行す
るにしても、
「強い経済」をつくることが必要です。
」と表明している。
2 民間試算(みずほリサーチ&テクノロジーズによる需給ギャップの試算(令和7年(2025 年)
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