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資料2‐1 令和6年度 業務実績評価書(案) (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59553.html
出典情報 厚生労働省国立研究開発法人等審議会 高度専門医療研究評価部会(第40回 8/7)《厚生労働省》
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様式2―1―4-1(別紙)
中 長 期 目 標
中 長 期 計 画

国立がん研究センター
年度評価
令 和 6 年 度 計 画
主な評価指標

項目別評価調書
1-1
法人の業務実績等・自己評価
主な業務実績等

がん研究を推進し、診断・
治療法の研究開発を効率
的かつ早期に実現化する
ためには、医学のみならず
生命科学・工学等の他分野
の技術・成果を統合的に研
究開発に応用する必要が
あるため。
①重点的な研究・開発
センターが担う疾患に
ついて、症例集積性の向
上、臨床研究及び治験手続
の効率化、研究者・専門家
の育成・確保、臨床研究及
び治験の情報公開、治験に
要するコスト・スピード・
質の適正化に関して、より
一層強化する。また、First
in human(ヒトに初めて投
与する)試験をはじめとす
る治験・臨床研究体制を強
化し、診療部門や企業等と
の連携を図り、これまで以
上に研究開発を推進する。
具体的には、
・遺伝子の解析等による
未来型医療を実現する
ためのグローバルスタ
ンダードになり得る診
断・治療法の研究開発
・難治性がん、希少がんな
どを中心とした新規治
療法の研究開発
・全国ネットワークを活
用し、個人や集団に対し
より最適化された標準
治療開発のための多施
設共同臨床研究
・がんのリスク・予防要因
を究明するための精度
の高い疫学研究及び前
向き介入研究
・国際的な臨床研究ネッ
トワーク構築を通じた、
新規薬剤開発などを目
指した国際共同研究に
取り組むなどして、重点
的な研究・開発を実施す
ること。
② 戦略的な研究・開発

く貢献する成果について、
中長期目標期間中に21件以
上あげることを目標とす
る。さらに、中長期目標期間
中の英文の原著論文数につ
いて、4、900件以上とする。

①がんの本態解明に関する
研究
中長期目標に示された戦
略的研究・開発課題につい
て、次の具体的課題例を中
心として重点的に取り組
む。
ア 未知の内的・外的な発が
ん要因の同定や遺伝素因と
の相互作用による発がんメ
カニズム等を解明し、新し
い概念や技術に基づく個別
化された効果的な予防法の
開発に資する研究を推進す
る。

○調査・分析に基づ
いた疾病対策の企
画立案、提言等によ
る政策への貢献が
なされているか。

①がんの本態解明に関する研


ア 未知の内的・外的な発がん
要因の同定や遺伝素因との相
互作⽤による発がんメカニズ
ム等を解明し、新しい概念や
技術に基づく個別化された効
果的な予防法の開発に資する
研究を推進する。
具体的な取り組みは、次の
とおりである。
・腎臓がん・大腸がん・膵がん
について、国際共同研究に
よる大規模な⼈種横断的が
んゲノム変異シグネチャー
解析を進め、日本人に特徴
的な変異パターンの同定か
ら発がん要因の推定、がん
予防への応⽤展開を目指
す。
・高ゲノム不安定性リスク状
態の誘導に対する放射線
量・線量率の影響を解析し、
UV損傷によるゲノム不安定
性リスクの上昇要因の特定
を目指す。
・独自のハイスループット機
能解析法を用いて、がん遺
伝子及びがん抑制遺伝子の
意義不明変異を網羅的に機

自己評価
器腫瘍領域において、個別化医療が大きく進歩する
ことが期待される。
その他、肺腺がんに新たな治療標的となる遺伝子を発
見、再発・難治性悪性腫瘍に対する日本初の新規放射
性治療薬64Cu-ATSMの安全性・有効性を確認、放射性
抗体の超音波内視鏡ガイドによる膵がんPET画像診断
の医師主導治験(第Ⅰ相臨床試験)を開始、再生細胞
医薬品国内開発エコモデルの構築、放射線医薬品開発
におけるヒトへの少量投与(フェーズ0)を医師主導
臨床研究で実施、高齢の大腸がん患者に対する適正な
標準治療を証明、 C-CATデータを申請資料として用い
て、RET 阻害剤の多がん種への適応拡大の薬事承認、
膀胱がんにおける免疫チェックポイント阻害剤やBCG
治療の奏効率を予測するバイオマーカーを同定、 NCC
内外の連携により、小児がん・AYA世代がんを対象と
する国内アカデミア発first in class薬剤の前臨床
試験を、PDXmodelを用いて開始など含め、様々な成果
があった。

<定性的視点>
・独創性、革新性、
先導性、発展性
・具体的なインパ
クト
・国際水準の研究
の実施状況
・国・社会からの評
価等
・外部研究資金獲
得方針
・アウトリーチ戦

・社会に対する研
究・開発成果の発

・政策推進戦略
・国の政策への貢

・具体的な取組事


<定量的指標>
○がんの解明と医療の推進に「大きく貢献する成果」
とは、世界初や日本初のものや著名な学術誌に論文掲
載されたものなどである。
・がんの解明と医療の推進に大きく貢献する成果
目標
3.5件
実績
4件
達成率
114%
・英文原著論文数
目標
816 件
○日本を含む11か国の国際共同研究により、過去最
実績
1,288 件
大規模となる962症例の腎細胞がんの全ゲノム解
達成率
158%
析を実施し、日本人の腎細胞がんの約7割に、他国
ではほとんど見られない未知の発がん要因が存在
研究成果については、関連学会等において発表を行
することを明らかにした。腎細胞がんの危険因子 うとともに、論文として積極的に公表した。令和6年
が発がんに至るメカニズムとして、喫煙のように に発行された国立がん研究センターの研究者が著者
直接がんゲノムに傷を付ける因子と、それ以外の 又は共著者である英文論文総数は、1,288 件であり、
因子が複合的に関与して腎細胞がんを発症させて これらの被引用総数は 2,185 件。
いるものがあることも解明した。
○ゲノム不安定性リスクが、DNA合成期にRNA合成が
上記のとおり、令和6年度実績は目標を大きく超
進行する背景で上昇することが示された。UVで生
えて達成しており、特に顕著な成果の創出や将来的
じる2種類のDNA損傷のうち、CPDのみがゲノム不
に特別な成果の創出に期待される実績を上げている
安定性に関わることが示された。
ため、S評価とした。
○非可逆的HER2チロシンキナーゼ阻害薬であるゾン
ゲルチニブのHER2変異に対する網羅的薬効評価ス
クリーニングを実施し、多くのHER2変異に対して
本薬剤の効果が期待できることを明らかとし、国
内第Ⅲ相臨床試験の開始に貢献した。
○PARP阻害薬耐性に関わるがん遺伝子の機能解析ス

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