【資料2】令和8年度研究事業実施方針作成のための意見伺い(AMED研究) (95 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57788.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 科学技術部会(第144回 5/14)《厚生労働省》 |
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(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び
期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】インドネシアでの、てんかん診療の質向上をめざしたデジタル脳波のワイド
バンド成分の記録解析普及の実装研究(令和4~7年度)
【概要】本邦において蓄積したワイドバンド脳波の経験・知識・研究技術を活用し、イ
ンドネシアにおけるワイドバンド脳波解析方法の臨床的利用普及を進める。我が国で
すでに確立、普及しているワイドバンド脳波解析方法を対象国で普及させることによ
り、適切な診療を受けられない対象国の患者に裨益することができる。令和6年度は、
令和5年度までに作成した研究プロトコルの実施段階として、ワイドバンド成分の脳
波解析を利用した脳波判読方法の教育コースのマテリアル構築・実際のデータ記録の
支援を行う。
【成果の活用】ワイドバンド脳波解析方法の臨床的利用普及により、対象国に 200 万人
いるとされるてんかん患者の診療の質の改善が期待される。
【課題名】タイ国での結核終息に向けた日本型接触者健診と個別化医療導入に関する研
究開発(令和5~8年度)
【概要】インターフェロンγ遊離試験(IGRA)を活用した日本型結核接触者健診とオー
ダーメイド結核治療の社会実装に伴い、発端となる結核患者のコホート研究を実施す
る。タイ国においては、イソニアジド(INH)の代謝遅延型が日本より頻度が高く社会
実装上の問題と考えられるので、特に薬物動態関連遺伝子である NAT2遺伝子検査の
臨床実装の必要性と意義について薬理遺伝学的研究にて明らかにする。IGRA を活用
した結核接触者健診を実施し、オーダーメイド結核治療として INH に伴う肝障害遺伝
子の検査を行うことにより、効率的に結核発症を減少させることを示す。本研究成果
を、国の疾病対策局の結核担当部署が実施する結核対策に組み込むことを目指す。
【成果の活用】タイ人集団では、日本人に比べてイソニアジドの代謝の遅い NAT2 遺伝
子型の頻度が高いため、NAT2 検査の実施により、治療薬の選択や用量変更等に基づ
く結核治療レジメンを確立し、より適切で安全な個別化医療を、日本版直接服薬確認
療法(DOTS) 戦略の中で実現できる上、結核治療に要する医療費の削減による医薬経
済学的な効果も期待できる。
【課題名】Healthy school environments supporting healthy and informed choices
of food and beverage(GACD 国際協調研究公募、令和5~8年度)
【概要】経済発展と急激な都市化に伴う社会健康格差の拡大が懸念されるフィリピン都
市域において、地域住民の健康づくりの展開に着目した児童の健康的な食生活の支援
環境整備を目指す。小学児童及び養育者並びに教育関係者を対象に、学校内で実施す
る栄養食育授業と地域内の食料品アクセス地理情報を統合した食品選択を支援する
地域連携健康推進プログラムを実施し、児童の栄養状態、食品選択・摂取におけるプ
ログラムの有効性を検証する。児童及び養育者の食と栄養に関する知識と食品摂取状
況の乖離を明らかにし、健康的な食品選択、食生活を支援する環境整備の促進・阻害
要因を提示することにより、ライフステージを通じた非感染性疾患予防につながる食
習慣獲得への効果的な実装手法を提案する。
【成果の活用】社会的健康格差が拡大するフィリピン都市域において、プログラムによ
り格差を是正する波及効果が期待される。
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