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【資料2】令和8年度研究事業実施方針作成のための意見伺い(AMED研究) (143 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57788.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第144回 5/14)《厚生労働省》
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またインターフェロンとは異なる作用機序を持つ治療薬が実用化されれば治療法の選
択肢が増え安定した医療の提供につながる。C型肝炎ウイルス(HCV)の 非構造タン
パク質 NS2 が宿主因子シグナルペプチダーゼ複合サブユニット 1 (SPCS1)との結合
を介してエンベロープ E2 と会合することが粒子のエンベロープ化に重要であること
に基づき、NS2-SPCS1 のタンパク質間相互作用を阻害する化合物の中から新規スクリ
ーニング法を抗 HCV 化合物 E667 を同定した。E667 をリード化合物として抗 HCV 活性
が 20 倍高い化合物を合成した。
【成果の活用】現行治療における不成功例、難治例に対する治療効果が期待される。
新規作用機序のC型肝炎治療薬は肝がん、重度肝硬変の発症低下、医療費負担の軽減
につながる。
【課題名】NASH 肝がんの治療開発を目指す炎症加齢を加味したリピド・ゲノミクス研究
2.0(令和5年度終了)
【概要】近年、脂肪性肝疾患、糖尿病患者からの肝がんは増加しており、大きな健康問
題となっている。MASLD/MASH 肝がん(≓ NASH/NAFLD 肝がん)の病態を、脂肪肝にお
ける脂肪毒性を起点とした進行性肝疾患と規定し、診断・治療方法の開発を目標とし
た。その結果、病態進展に栄養代謝異常、遺伝要因、肝臓微小環境、腸内細菌等が関
与することと新規診断・治療標的を同定し、MASH 肝がん特異的エピゲノムマーカー診
断機器の企業連携を進めた。
【成果の活用】MASH 肝がんに対して新たな診断方法が確立し、医療現場への導出が可能
になることで、効率的なリスク評価に基づく診療体系の構築が期待できる。治療標的
候補に対するアプローチ法が確立されれば、肝硬変、肝がんへの移行者が減少するこ
とで、将来的には医療費の節減効果に繋がる。
政策等への活用又は実用化に向けた取り組み
「NASH 肝がんの治療開発を目指す炎症加齢を加味したリピド・ゲノミクス研究 2.0」
(令和3年度~令和5年度)では、MASH 肝がん特異的エピゲノムマーカー診断機器の企
業連携を進めるとともに、MASH からの肝発がんリスク診断基準について、知財の日本・
米国・EU への移行手続きを行った。共同開発企業に加え、DNA メチル化診断キット等の
商品化を予定する企業とも今後の方針について合意に至った。

2 令和7年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び
期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
(i)B型肝炎創薬実用化等研究事業
継続課題なし
(ⅱ)肝炎等克服緊急対策研究事業
●肝炎に関する基礎・臨床研究
【課題名】C型肝炎ウイルス排除後の長期経過と Post-SVR hepatopathy の病態解明
【概要】C型肝炎に対する直接作用型抗ウイルス薬(Direct Acting Antivirals, DAA)
が保険承認され、ほぼすべてのC型肝炎患者でウイルス排除(SVR)が可能な時代にな
った。一方、C型肝炎のウイルス排除により“感染症”としては治癒するも、“肝疾
患”が進展し肝疾患イベントが発症する症例がある。インターフェロン治療に比して
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