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【資料2】令和8年度研究事業実施方針作成のための意見伺い(AMED研究) (112 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57788.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第144回 5/14)《厚生労働省》
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<疾患基礎研究 PJ>
・ 研究成果の科学誌(IF5 未満等の他の科学誌)への論文掲載状況(管理指標)
【期待されるアウトカム】(※)
女性の健康や疾患についての問題を、心身における性差も加味し、かつライフステー
ジの軸で多面的に捉えた研究開発とその実用化を推進することで、女性がより良い生涯
を選択することを可能にする健康を享受できるような社会が創成される。
(※)医療分野研究開発推進計画(令和2年3月 27 日決定、令和3年4月6日一部変更)を元に記載。

(2)これまでの研究成果の概要、及び政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】MRI による子宮筋腫のサブタイプおよび組織構成の非侵襲的な予測法に関す
る研究開発(令和 6 年度継続中)
【概要】MRI 画像情報を元に,患者個々の筋腫について非侵襲的にサブタイプの診断・
膠原線維量を推定する予測法の開発を行い、子宮筋腫検体から複数の MRI シーケンス
の画像情報と各検体におけるサブタイプ・膠原線維量の情報と照合することで、予測
に有効な MRI シーケンスを特定する。現在までに、子宮筋腫には MED12 遺伝子変異が
ある筋腫と無い筋腫の 2 つのサブタイプがあり、MED12 遺伝子変異がある筋腫は膠原
繊維が豊富な腫瘍であり、MED12 遺伝子変異は子宮筋腫において膠原繊維の産生増加
に関与する可能性が明らかとなった。
【成果の活用】本課題により作成された子宮筋腫サブタイプを判別する予測器は、治療
方針、使用薬物の選択に有用であり、将来臨床応用が期待される。
【課題名】女性診療を支援する「AI 診断ナビゲーションシステム:WaiSE」の開発<令和
元年度~令和3年度>
【概要】女性専門外来受診者(約 5,000 名)の医療記録を用いて、女性の自覚症状等と
最終診断の関連解析を行った。その結果と文献的知見から、女性の頻出症状に対して、
女性に特化した診断アルゴリズムを作成し、これを用いて女性の多彩な自覚症状を把
握し、女性の健康管理、受診勧奨、医師の診療を支援する「AI 診断ナビゲーションシ
ステム:WaiSE」を開発した。
【成果の活用】女性の受診行動、医師の適切な診断を促し、早期発見・治療に貢献する
とともに、問診の効率・質の向上、オンライン診療、健診・人間ドック前の問診等へ
の活用も期待される。
【課題名】女性特有の慢性疼痛緩和を目指した痛みの性差形成機構の解明<令和3年度
~5年度>
【概要】坐骨神経傷害モデルマウスに男性ホルモン(テストステロン)を投与すると、
雌マウスのみで量依存的にアロディニア(異痛症)が抑制され、また坐骨神経傷害後
に生じる脊髄ミクログリアの活性化が抑制されることを明らかにした。さらに脊髄後
角サンプルにおいて、雌雄差又はテストステロンの投与により発現変化が認められる
遺伝子を網羅的に解析したところ、リボソーム関連分子の変化とともに、神経の機能
調節に関与する分子の変化が認められ、新規の疼痛抑制因子の候補を複数見出した。
【成果の活用】アンドロゲンシグナルを介したミクログリア抑制機構の解明を行い、ミ
クログリア動態に基づく女性の痛みの評価系を樹立する。また痛みの性差の基盤を成
すアンドロゲン依存性痛み関連分子を同定し、女性に有効な慢性疼痛治療薬のスクリ
ーニング法の開発を行う。
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