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【資料2】令和8年度研究事業実施方針作成のための意見伺い(AMED研究) (77 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57788.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第144回 5/14)《厚生労働省》
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剤耐性等の病原体解析が進展する。これらによって得られる情報の共有は、流行地域
及び本邦の感染症対策に直結するとともに、診断検査薬、治療薬及びワクチンの開発
基盤となることが期待される。

(2)新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要、及び期待される研究成果の政
策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】今後の感染症危機に備えた重点感染症に関する総合的な対策に資する研究
【概要】重点感染症に対する医薬品等については、平時では、罹患する患者が少ないた
めにその効果が十分評価できないこと、一方で、危機発生時には突発的に莫大な需要
が発生する。そのため、重点感染症に対する医薬品等の研究開発及び確保については、
民間主体の市場原理では対応できず、国による研究補助を要する。危機対応医薬品等
に関する小委員会の審議内容等を踏まえ、開発マイルストーンの評価や危機発生時の
緊急時使用と迅速な評価の仕組み、迅速な製造及び調達・配布オペレーション等の確
保における科学的なエビデンスの創出に対する支援を推進する必要がある。このた
め、公衆衛生危機管理において、救命、流行の抑制、社会活動の維持等、危機への医
療的な対抗手段となる重要性の高い医薬品や医療機器等を確保することが必要な感
染症(重点感染症)に対する治療薬等の開発を推進する。
【成果の活用】治療薬の開発推進により、シーズの企業への導出、薬事承認の取得に繋
がる可能性がある。また、危機発生時における医療体制の整備の一助となることが期
待される。
【課題名】薬剤耐性(AMR)に対する新規治療法の開発研究
【概要】多剤耐性菌の出現と増加への対応策として、平成 28 年2月に「国際的に脅威
となる感染症対策の強化に関する基本計画」、同年4月に「薬剤耐性(AMR)対策アク
ションプラン」が発出され、多剤耐性菌に対する研究体制の強化が打ち出されている。
本研究課題では、薬剤耐性菌を含む変貌する病原体集団の時間的、空間的実態を把握
し、ゲノムレベルで解析するとともに、得られたデータを共有、活用し、新しい手法
による耐性菌早期検出法の開発、種々の特徴を有するライブラリーを用いたスクリー
ニングからの治療薬候補化合物の創出等、多領域を網羅した総合的見地からの治療法
開発研究を推進する。またファージ療法をはじめとして、既存の抗菌薬とは異なる機
序、あるいは異なる標的に対する新規治療薬、治療法の開発を推進する。
【成果の活用】治療法開発研究の開発推進により、AMR に対する国際的な研究体制、医
療体制の強化に繋がることが期待される。
【課題名】国内での市中感染が認められる感染症に対する予防・診断・治療法の開発研

【概要】いまだ定期接種化がなされていないおたふくかぜワクチン、妊婦へのB群連鎖
球菌(GBS)ワクチン、潜在性結核を主な発生母体とする肺結核に対して予防効果が高
い BCG ワクチンの開発及び疫学情報の取得を行い、国内市中感染が認められる感染症
に対する予防対策に資する科学的な知見の創出を推進する。その他、長期にわたり使
用されているワクチンについても、ワクチン接種後の生体反応や有効性・安全性のデ
ータを取得し新たな知見を得ることにより、現状の課題を明確にする研究を推進す
る。また、感染症の治療薬の遅れを解消するために、感染症領域における治験実施体
制構築の充実を図る。また、感染症対策の基本となる予防における、個人用防護具
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