【資料2】令和8年度研究事業実施方針作成のための意見伺い(AMED研究) (144 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57788.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 科学技術部会(第144回 5/14)《厚生労働省》 |
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率が著しく高く、ウイルス排除後「Post-SVR hepatopathy」の長期にわたる全身病態
を解明し、対応策を立案することが喫緊の課題となっている。そこで、日本における
DAA 治療 SVR 後の肝病態進展、他臓器癌および生命予後といったアウトカムの全貌、
それらのアウトカムを評価するための代替指標の有用性および予測する因子につい
て明らかにする。また、アウトカムの発生を予測する因子に関しては、ベースライン、
ウイルス排除時およびウイルス排除後において汎用される臨床検査データと共に、新
規のバイオマーカーを特に血中エクソソーム、糖鎖修飾に焦点をあてて基礎的かつ臨
床的に解析する。
【成果の活用】非代償性肝硬変症に対する DAA 治療の治療効果・予後等について検討す
ることにより、治療における医療費助成の適正化や、肝硬変患者の治療後の予後につ
いての基盤となるデータを得ることができ、今後の患者動向予測や、肝炎対策の方向
性について検討するための資料となる。
●代謝関連脂肪肝疾患に関する研究
【課題名】NAFLD/NASH および非ウイルス性肝がんの病態解明と治療法開発
【概要】近年 NASH などを背景にした非ウイルス性肝がんが急増しているが、その発症
機序は未だ不明な点が多い。先行研究において、NASH 肝がんの新規ドライバー遺伝子
候補を多数同定し、候補分子の KO マウスを複数作成している。また、300 例を超える
非ウイルス性肝がん検体を収集し、また予後や腫瘍内の免疫動態に基づいたがんの層
別化並びに ICI 奏効例予測因子を同定している。これらの独自に開発した動物モデル
並びに大規模臨床試料を用いて、オミクス解析により、NAFLD/NASH 並びに非ウイルス
性肝がんの病態解明、バイオマーカー開発、治療標的探索を行う。
【成果の活用】NASH/非ウイルス性肝がんのがん免疫微小環境が明らかになることが期
待され、臨床情報との統合解析により、発がん・進展に関わる新たな治療標的の発見
にもつながる。免疫チェックポイント阻害剤が奏効する脂肪蓄積肝細胞癌の非侵襲的
同定法の開発が期待できる。
●経口感染するウイルス性肝炎に関する研究
【課題名】経口感染によるウイルス性肝炎(A型及びE型)の感染防止、病態解明、治
療等に関する研究
【概要】経口感染によるウイルス性肝炎(A型及びE型)について、ウイルス学的検討や
大規模かつ網羅的な臨床データを基盤として、感染防止、病態解明、遺伝的多様性に
関する研究を実施し、グローバルな対策の推進にも寄与する新しい予防・診断・治療
法の開発を目指す。人獣共通感染症側面もあり自然宿主であるブタ用ワクチンの開発
も継続して進める。
【成果の活用】本邦における HEV の感染源であるブタから HEV 感染を排除することで
公衆衛生上の施策としての貢献が可能であると共に、高リスク集団を対象とするヒト
用ワクチンとしての応用も期待される。
(2)新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要、及び期待される研究成果の政
策等への活用又は実用化に向けた取組
(i)B型肝炎創薬実用化等研究事業
【課題名】B型肝炎ウイルスの新規創薬シーズの探索に関する研究
【概要】B型肝炎については、ウイルスを完全に排除する治療法が無く、新規治療薬の
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