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【資料2】令和8年度研究事業実施方針作成のための意見伺い(AMED研究) (136 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57788.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第144回 5/14)《厚生労働省》
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防することが期待される。さらに非代償性肝硬変に進行している場合でも、本剤によ
り蛋白質合成能などの肝機能を改善できれば、合併症を軽減することが可能となり、
予後の延長が期待できる。
(令和7年度までにシーズの他の統合プロジェクトや企業等への導出

1 件)

(※)医療分野研究開発推進計画(令和2年3月 27 日決定、令和3年4月6日一部変更)を元に記載。

(2)これまでの研究成果の概要、及び政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】中和抗体による HIV 感染症の治癒を目指した研究開発(令和6年度継続中)
【概要】中和抗体を用いた HIV 感染症治療法の開発が進められているが、HIV に対する
中和抗体がどのように誘導されるか未だ明らかになっていない。HIV 中和抗体研究に
おいて作成した抗イディオタイプ抗体を用いた解析により、中和抗体産生B細胞に関
する新たな知見を得た。
【成果の活用】本研究成果は、HIV に対する中和抗体の誘導機序解明による HIV 感染症
の実態解明が進むだけでなく、HIV ワクチン並びに抗ウイルス薬開発の基盤情報とな
り、新たな治療薬等の開発にも貢献する成果になると期待される。
【課題名】革新的核酸解析技術による HIV 潜伏感染機序の解明と克服のための研究(令
和6年度継続中)
【概要】HIV 感染症根治には潜伏感染細胞を排除することが必要であるが、HIV 感染者
の体内から HIV 潜伏感染細胞を取り除くことは困難であり、HIV 潜伏感染メカニズム
解明が求められる。そこで、HIV の活性化・潜伏化動態を可視化する技術として、タ
イマー蛍光タンパク導入組換え HIV(HIV-timer)を開発した。
【成果の活用】HIV-timer を用いることにより、今まで解明されていなかった HIV 潜伏
感染メカニズムの詳細な理解が可能となり、治療標的となる新たな分子の特定に繋が
る。これにより HIV 感染症の根治療法や診断法の創出が期待される。
【課題名】血友病合併 HIV/HCV 重複感染に起因する肝硬変に対する抗線維化治療薬の開
発(令和6年度継続中)
【概要】本研究では、治療薬のない血友病合併 HIV/HCV 重複感染患者における肝硬変に
対する抗線維化治療薬の開発を行う。治験対象薬の血友病合併 HIV/HCV 肝硬変患者に
対する安全性を検討する PhaseⅠ試験が終了し、有効性を確認する PhaseⅡ試験へと
進んだ。
【成果の活用】本剤により、非代償性肝硬変への進行を抑制でき、肝がんの発症を予防
することが期待される。さらに、非代償性肝硬変に進行している場合でも、本剤によ
り予後の改善が期待される。有効な治療薬がない血友病合併 HIV/HCV 肝硬変患者にと
って本剤が新たな治療の選択肢の一つとして加わる可能性がある。

2 令和7年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び
期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
【研究領域】HIV 感染症根治に向けた新規ワクチン・治療法等の開発に関する研究
【概要】HIV 感染症は未だ根治に至っていない。これは HIV 感染症が宿主・ウイルス間
の複雑な相互連関から成立しているためであり、細胞レベルの研究では現在開発が進
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