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【資料2】令和8年度研究事業実施方針作成のための意見伺い(AMED研究) (67 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57788.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第144回 5/14)《厚生労働省》
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5年度には、企業の治験データを取り込んで統合解析することで、薬事申請データと
して活用することを目的として、レジストリデータの中央一括品質管理システムを含
む薬機法申請に資するデータ基盤システムを開発した。令和2年度よりエントリーが
開始され、令和5年には収集データが 2200 例を突破した。
【成果の活用】精神疾患レジストリを利活用して、精神疾患の治療効果、転帰の予測因
子を明らかにするとともに、既存の臨床カテゴリーを超えて、縦断的な経過を含む生
体情報、臨床情報を基に、新たな層別化集団を探索することが可能になった。これに
よってより均質な生物学的背景をもつ集団を対象とした病態研究、臨床研究開発が促
進される。
【課題名】COVID-19 等による社会変動下に即した応急的遠隔対応型メンタルヘルスケ
アの基盤システム構築と実用化促進にむけた効果検証(令和5年度終了)
【概要】COVID-19 を契機としたニューノーマル社会に対応した、一般市民が容易に利用
可能な遠隔メンタルヘルスケアの基盤システムを構築し、AI 技術を駆使し、トリアー
ジを可能とする重症度分析アルゴリズムを開発・実装し、その効果検証に基づいて実
用化を促進した。
【成果の活用】軽症例には治療者を介さない認知行動療法の技法を用いたこころコンデ
ィショナー(AI チャットボット)、中等症以上には、rapid PFA(Psychological First
Aid)を用いた相談員によるケアを、遠隔医療システムを利用して実施し、メンタル不
調の予防や早期介入、必要な方への適切な医療の提供が期待される。

2 令和7年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び
期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】精神疾患レジストリの縦断データを活用した新規治療法開発と薬事承認の実

【概要】精神疾患レジストリにおいて、薬機法申請に資するデータ基盤システムを活用
し、精神疾患に関する臨床データを、研究機関や製薬企業からクラウド上に匿名化し
てアップロード・集積し、データシェアリングによる統合解析を実現することで、新
規治療法の開発並びに医薬品・医療機器の薬事承認獲得を目指す。同時に、収集デー
タを増大させ、年間 1500 例のペースで症例登録を促進する。
【成果の活用】このシステムデータは、精神疾患の病態解明・治療法開発に資するのみ
ならず、製薬・創薬にあたり PMDA への薬事承認に係る申請データとして用いること
が可能となり、研究機関と製薬企業との産学連携による精神領域の医薬品・医療機器
開発促進に貢献する。
【課題名】Polygenic モデルと薬物動態学に基づく精神疾患治療予測法開発
【概要】うつ病患者と統合失調症患者を対象にポリジェニックリスクスコア解析(発症
や予後予測に関連する複数の遺伝要因)と薬物動態解析(薬物血中濃度・薬物代謝活
性型遺伝要因)を実施し、個人が持つ個々の遺伝的副作用予測リスクを算出し、治療
からのドロップアウト率を予測することで、臨床応用できる高精度な新規の薬物副作
用リスクスコアを開発する。
【成果の活用】抗うつ薬・抗精神病薬に対する各種副作用の減少に加え、薬物療法から
のドロップアウト率の低下や寛解率の向上を実現することで、精神科医療におけるプ
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