【資料2】令和8年度研究事業実施方針作成のための意見伺い(AMED研究) (128 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57788.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 科学技術部会(第144回 5/14)《厚生労働省》 |
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たな疾患発症メカニズム解明を1件以上報告する。
【期待されるアウトカム】(※)
ドナー選択法や新規移植法の開発、また、これらを踏まえた診療ガイドラインの策定
及び普及等により、より適切な移植源からの臓器・組織移植、造血幹細胞移植を実施す
ることが可能となり、移植医療の予後改善が期待される。また移植後合併症、移植後再
発に対する早期バイオマーカーの創出や予防法・治療法を新規に開発・最適化すること
によって、依然として高率である合併症等により死に至る患者や QOL の低下に至る患者
が減少することが期待される。
令和6年度末までに、臨床的に実用可能なバイオマーカー等を1件以上開発する。
(※)医療分野研究開発推進計画(令和2年3月 27 日決定、令和3年4月6日一部変更)を元に記載。
(2)これまでの研究成果の概要、及び政策等への活用又は実用化に向けた取組
〈臓器・組織移植分野〉
【課題名】IL-6 アンプに基づいた移植腎慢性拒絶と薬剤性腎障害の早期バイオマーカ
ーおよび治療標的の同定のための研究(令和4年度終了)
【概要】移植腎慢性拒絶と薬剤性腎障害の IL-6 アンプ(過剰 NFκB 活性化)誘導に関
し分析、尿中エクソソームに着目し、慢性抗体関連拒絶や薬剤性腎障害の新規バイオ
マーカーとしての有用性を検証した。
【成果の活用】タクロリムス毒性に関して IL-6 アンプの関与が判明し、ステロイドで
の抑制効果が得られた。これにより、移植後の薬剤性腎障害発症抑制が期待できる。
〈造血幹細胞移植分野〉
【課題名】マルチオミクス解析による移植後免疫再構築の解明と GVHD を予測する分子
遺伝学的バイオマーカーの開発研究(令和4年度終了)
【概要】移植患者の臨床検体スクリーニングから、移植後急性期におけるナイーブ B 細
胞の回復遅延が後の慢性 GVHD の発症と関連すること、移植後シクロホスファミドは
この B 細胞新生を促進することを示した。
【成果の活用】GVHD の病態解明と新規予防法確立によって、特に末梢血幹細胞移植の合
併症の一つである慢性 GVHD に伴う移植後 QOL の低下を克服することが期待される。
2 令和7年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び
期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
〈臓器・組織移植分野〉
【課題名】臨床応用を目指したマージナルドナー及び心停止ドナーからの心臓移植に関
する研究
【概要】国内におけるドナー不足は深刻な問題であり、その解消に資するため、マージ
ナルドナー(高齢者や基礎疾患を有するなど、標準的な条件から適応を拡大したドナ
ー)や心停止ドナーからの心移植の課題の抽出を行う。加えて、摘出心灌流保存・評
価装置の開発を行う。
【成果の活用】マージナル・心停止ドナーからの心臓移植の実施のための指針が作成さ
れることで国内の心移植数の増加が期待されるとともに、他臓器での心停止後ドナー
からの移植にも活用が見込まれる。
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