【資料2】令和8年度研究事業実施方針作成のための意見伺い(AMED研究) (53 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57788.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 科学技術部会(第144回 5/14)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
【成果の活用】上記研究開発の成果に基づく薬事承認による医療への早期実用化が期待
される。
【課題名】遺伝子改変免疫細胞(CAR-T)及び、遺伝子治療・細胞治療による難治性がん
を対象とした医師主導治験(PJ③)
【概要】安全性及びコストの観点に配慮した遺伝子改変 CAR-T 細胞療法(非ウイルス性
遺伝子導入システムの利用等)による非臨床試験及び医師主導治験の加速のため、製造
設備への積極的な支援、及び導出に向けた製薬企業とのマッチング支援等を強化し、早
期実用化を図る。
【成果の活用】上記研究開発の成果に基づく薬事承認による医療への早期実用化が期待
される。
【課題名】がん再発を標的とした治療、予防・早期発見に資する研究開発(PJ④)
【概要】薬剤耐性の獲得等によるがんの再発・再燃とそれに伴う治療抵抗性の難治性が
んは、依然としてアンメットメディカルニーズであり、その予防法や治療法及び早期治
療介入のために耐性獲得の早期診断法の開発は急務である。
患者由来がん検体のマルチオミックス解析やがん微小環境の解析、さらに患者由来がん
モデルによる治療後残存がん細胞の細胞死回避機構、寛解から再発・再燃までのがんク
ローンの増減や遺伝子変異、エピゲノム異常、幹細胞性の獲得等の変化を経時的に追跡
すると共に、実際のがん患者の病態と比較することで、がんの再発・再燃におけるがん
細胞の薬剤耐性獲得機構、クローン進化の分子機序解明、リキッドバイオプシー等の低
侵襲試料を用いた再発・再燃の徴候を早期発見可能なバイオマーカーの探索を推進す
る。さらに再発・再燃の原因となる変異獲得による脆弱性や、新たな薬剤抵抗性変異の
克服を標的とした創薬、合成致死※を誘導する薬剤の組み合わせ等を検討することでが
ん再発の予防・早期発見及びその治療法開発に資する研究を推進する。
【成果の活用】がん再発・再燃の分子機序を解明することにより、再発・再燃予防に資
する治療標的の創出や合成致死に関わる知見を得ることが可能となり、それらを基にし
た再発・再燃がんの予防・治療法や早期に検出可能なバイオマーカー開発により、がん
の再発・再燃を阻止もしくは早期治療介入することで、がん患者の予後並びに QOL の改
善、最終的にはがんの完治を可能とすることが期待される。
※がん治療において、同じ様な機能を有する複数の分子が存在する場合、一方の分子の
機能を阻害薬などで阻害しても、もう一方の分子がその機能を補償することで耐性を
獲得することが多くある。そのため両分子を同時に阻害することで耐性獲得を防ぎ、
がん細胞を致死に導くような治療戦略を合成致死と呼ぶ。
【課題名】高齢がん患者に対する「健康寿命」に着目した臨床試験の推進(PJ④)
【概要】高齢がん患者は、臓器機能の低下、他疾患の併存など個人差が大きく、個々の
特性に応じた最適な治療法や生活の質(Quality of Life:QOL)を維持向上させる支持
療法の開発などの全人的な視点に立った医療の提供を目的とした臨床試験の推進が求
められる。また、非高齢者と同様に生存期間の延長を目指すのではなく、がん治療中・
治療後も高齢者が自立した日常生活を送ること、すなわち「健康寿命の延伸」を目指し
た臨床試験を推進する必要がある。また、高齢者を対象とした臨床試験では、必要な症
例数を確保する過程において症例集積に難渋することがある。未だにエビデンスに乏し
い本領域においては、他の臨床試験データを用いたサブセット解析等の結果も有用であ
49