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【資料2】令和8年度研究事業実施方針作成のための意見伺い(AMED研究) (137 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57788.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第144回 5/14)《厚生労働省》
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んでいる新規ワクチン・治療法等の評価が不十分である。そこで宿主・ウイルス連関
をトータルに評価できる動物モデルによる評価が必須となるが一部の実験動物では
価格が高騰しているため、その実施が困難となっている。これらの治療法の確立には
有効性、安全性の確認においては十分なデータを得る必要があり、動物を用いた候補
物質の作用、もしくは効果の機序等に関する試験を推進する必要がある。本研究領域
では、細胞レベルに留まらず、動物モデルを用いて新規ワクチン・治療法等の非臨床
POC 取得を目指す研究等を強力に推進し、HIV 感染症の新規治療法の創出を目的とす
る。
【成果の活用】長期の事業計画で予定されていた動物による新規医薬品候補の評価が、
最近の動物実験費用の高騰により滞っている。増額により本来予定された成果の獲得
に貢献する。
【研究領域】新たなアプローチによる医薬品シーズの探索に関する研究
【概要】これまでの HIV に対する増殖阻害剤の研究により、HIV 感染症は制御が可能な
疾患となったが、根治には至っていない。30 年以上にわたる抗 HIV 薬開発の中で、免
疫学的手法を含め様々なモダリティーの薬剤開発が進められてきたがなお新薬の開
発が続いている。これは既存のモダリティーの枠内では HIV 感染症や合併症の解決が
難しいことを示している。そこで新たな治療戦略や治療標的に関する研究に着目し、
これらを強力に推進する。
【成果の活用】現在の ART に代わる新たな HIV 感染症の治療法及び根治療法の開発や現
在の化学療法に組み合わせて使用可能な医薬品開発が加速され、合併症等の問題に苦
しむ患者の治療法の選択肢が広がり、QOL の向上につながる。
(2)新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要、及び期待される研究成果の政
策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】HIV 潜伏感染機構に基づいた潜伏感染細胞排除のための研究
【概要】抗 HIV 薬の進歩により、HIV 感染症は制御可能な慢性感染症になっているが、
生涯にわたり薬剤の服用が必要であり、薬剤耐性の出現や合併症などの問題も依然と
して残っており、HIV 感染の治癒に至る具体的な方策は未だに見えていないのが現状
である。この状況を打破するため、慢性潜伏感染細胞の誕生と長期間の維持に関する
仕組みについて解明する研究を推進する必要がある。本研究では分子レベルでの HIV
発現制御機構の解明に向けて、従来の研究を上回る HIV 潜伏感染に関する新しい知見
を創出し、潜伏感染の克服に向けた新たな治療法を見出すことを目的とする。
【成果の活用】HIV 潜伏感染機構について最新の知見を得ることが可能となり、新たな
抗 HIV 治療法の確立につながる。
【課題名】長期間の ART における問題点を克服するための研究
【概要】現在の抗 HIV 化学療法(ART)では、HIV に感染してもその後のエイズ発症を抑
制することが可能になったが、生涯にわたり薬剤の服用を余儀なくされ、長期間の服
薬継続による慢性的な副作用やその他の原因による、種々の合併症や老化の促進が見
られるなど、新たな問題点が生じている。一方で、現在の ART に代わる HIV 感染症の
治療法は実用化されておらず、当面は現在の ART を続けて行く必要がある。そこで、
本研究においては、現在の ART 継続における種々の問題点の原因を明らかにするとと
もに、それらの解決策を見出すことを目的とする。
【成果の活用】本研究で得られた知見により、新しい治療法、治療薬が実用化すれば、
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