【資料2】令和8年度研究事業実施方針作成のための意見伺い(AMED研究) (118 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57788.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 科学技術部会(第144回 5/14)《厚生労働省》 |
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(令和 5 年度終了課題)
【概要】リアノジン受容体安定化薬の慢性腎臓病(CKD)に対する有効性を検証し、臨床
試験へ発展させた。
【成果の活用】動物モデルにおいて、リアノジン受容体安定化薬(ダントロレン)が CKD
の進展を抑制したことを確認しており、ダントロレンが「慢性腎臓病の進展抑制剤、
及び、蛋白尿及び/又は糸球体硬化の進展抑制剤」であることを特許として出願済で
ある。さらに、特定臨床試験で CKD 患者を対象とした薬物動態試験の症例予定数を終
了しており、今後特定臨床試験を進め、ダントロレンのドラッグリポジショニングに
より、末期腎不全の新規透析導入を回避し医療費の抑制に貢献する可能性が見込まれ
る。
2 令和7年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び
期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】TRPC3/6 を標的とした難治性かつ進行性腎疾患に対する新規治療薬開発
【概要】腎機能低下や末期腎不全への移行などを改善させる薬剤はこれまで RA 系阻害
薬と SGLT2 阻害薬に限られている。いずれの薬剤も血行動態による糸球体過剰濾過是
正と尿蛋白減少が腎保護効果の主体である一方、本課題では、ポドサイトおよび傷害
尿細管を直接的に保護できる TRPC3/6 dual 阻害薬 L862 を開発する。
【成果の活用】傷害された各腎構成細胞を特異的に標的とし、難治性腎疾患の進行を幅
広く抑えることで新規透析導入を抑制する、全く新しい治療薬としての L862 の有効
性を実証し、企業との連携へ道筋をつける。
【課題名】腎疾患に対する独創的な病態解明研究 (3課題)
【概要】腎領域に対する治療は対症療法がほとんどであり、病態そのものにアプローチ
するような革新的治療法の開発が望まれている。そこで、本研究開発課題では現状を
打破すべく、最終的には臨床応用されることを視野に入れつつも、他には無い斬新な
アイディアを基にした腎疾患に対する独創的な病態解明研究を行う。
【成果の活用】病態解明に関する画期的な発見を示す論文等の発表及び治療法の開発に
結びつくシーズに関する知財関連資料等の取得により、革新的治療法の開発につなげ
る。
(2)新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要、及び期待される研究成果の政
策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】腎臓をターゲットにした画期的治療法の開発「シーズ最適化・非臨床 POC 確
認」(1課題)
【概要】CKD のみならず、CKD の原因として重要な、AKI(acute kidney injury)の予
防・治療にも活用可能なエビデンスを創出する。また、治療標的分子などを確立し、新
規腎疾患治療技術の実用化につなげる。
【成果の活用】疾患基礎研究事業で発見したシーズの創薬化を目指し、非臨床 POC
(Proof-of Concept:新規治療法の有効性を動物実験などで証明する)を取得し臨床研
究に繋げる。
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