資料2‐1 令和6年度 業務実績評価書(案) (40 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59633.html |
出典情報 | 厚生労働省国立研究開発法人等審議会 高度専門医療研究評価部会(第39回 8/5)《厚生労働省》 |
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中 長 期 目 標
中 長 期 計 画
国立精神・神経医療研究センター
令 和 6 年 度 計 画
主な評価軸(評価の視
点)、指標等
年度評価
項目別評価調書
法人の業務実績等・自己評価
主な業務実績等
く講習プログラム(動画約18時間分)を作成し、
NCNPチャネルで公開した。
23. 摂食障害等の社会的影響の大きい重度ストレス
疾患に関する、NMDA受容体等の脳機能の分子生物
学的研究に基づいた病態解明と治療法の開発に向
けた研究
PTSDに対するメマンチンRCTの被験者登録を継
続し、現在までに患者22例を組み入れた(令和6
年度;15例)。PTSD本態解明研究についても被験
者リクルートを継続し、現在までに合計364名(
令和6年度:22名)のデータを収集し、データベ
ース・サンプルリソースを拡充させた。当該年度
の主要な成果として、PTSDの血中脂肪酸プロファ
イルを明らかにした論文が出版された(Ogawa et
al. 2025 Prog Neuropsychopharmacol Biol Psy
chiatry)。
精神・神経疾患開発研究費「アディクションの
病態・症候・治療に関する包括的研究」(主任研
究者 松本俊彦)において、選択的アデノシン2A
受容体遮断薬イストラデフィリンによる線条体D2
受容体密度増加作用が、覚醒剤依存症患者の生体
脳でも再現されるかを評価した結果、イストラデ
フィリン投与により覚醒剤使用障害患者における
線条体ドパミンD2受容体結合能の増加が確認され
、感情調節障害の改善がもたらされている可能性
を示唆する結果を得た。
・
本邦において急激に深刻
化している物質使用障害の
問題は、若い世代を中心と
した市販薬の問題である。
市販薬使用障害は世界的に
見てもまれな病態であり、
生物学的な解明は行われて
おらず、臨床研究において
拡散 MRI 解析や PET により
オピオイド受容体評価を行
う。
24.市販薬使用障害について、臨床研究における拡
散MRI解析やPETによるオピオイド受容体評価の実
施
NMDA受容体を発現する細胞を用いてデキストロ
メトルファン(DXM)の薬理作用解析を行った結
果、DXMよりもその代謝物デキストロファンがよ
り強くNMDA受容体を阻害し、DXM自体はセロトニ
ン濃度の上昇に関与する知見が得られ、過剰摂取
よる病態の一端の解明ができた。
25. 計算理論に基づくシミュレーション、デジタル
セラピューティクス(DTx)、仮想現実(VR)等
の先端情報技術を用いた脳病態に対する新たな診
断・治療介入・リハビリテーション・予防法の開
発
・
計算理論に基づくシミュ
レーション、デジタルセラ
ピューティクス(DTx)
、仮
想現実(VR)、ロボティク
スなどの先端情報技術を用
いて脳病態に対する新しい
診断・治療介入・リハビリ
テーション・予防法を開発
する。
デジタル空間上で、患者に対して仮想的な投薬
や神経回路調整治療を実施可能なデジタル脳モデ
ルの基盤的技術を、霊長類の投薬時神経生理デー
タを用いて構築した(英文原著論文として発
表)。脳計算理論に基づくうつ病の食行動異常モ
デルを提案し、内受容感覚の変調が摂食亢進や摂
食低下といった多様な異常パターンを引き起こし
うることを示した。これにより、うつ病における
症状のヘテロ性の一端を明らかにした(英文原著
論文として発表)。画像生成AIを用いて仮想的な
統合失調症患者の脳画像を生成するモデルを開発
し、病態進行に伴う脳の変化をシミュレーション
するとともに、臨床的には観察困難な仮想合併症
の検討を可能にした。これにより、統合失調症の
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自己評価