資料2‐1 令和6年度 業務実績評価書(案) (29 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59633.html |
出典情報 | 厚生労働省国立研究開発法人等審議会 高度専門医療研究評価部会(第39回 8/5)《厚生労働省》 |
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中 長 期 目 標
中 長 期 計 画
国立精神・神経医療研究センター
令 和 6 年 度 計 画
主な評価軸(評価の視
点)、指標等
年度評価
項目別評価調書
法人の業務実績等・自己評価
主な業務実績等
た。さらに、tDCSの陽極部位により精神症状の改
善効果がどのように異なるかを調べるため、統合
失調症患者に対する2つの脳刺激部位へのtDCSの
介入効果を比較検討した。その結果、日常生活技
能は左背外側前頭前野(DLPFC)への陽極刺激で有
意に改善したが、左上側頭溝(STS)への刺激で
は改善を認めなかった。また、神経認知機能につ
いても同様の刺激部位による違いを同様に認めた
。一方、DLPFC、STSのいずれの陽極刺激も総合精
神病理に対する有意な改善効果を認めた。以上の
研究成果をWorld Federations of Biological Ps
ychiatry (イスタンブール)、European Congress
of Schizophrenia Research (ミュンヘン), Wor
ld Congress of Asian Psychiatry(バリ島), In
ternational Brain Stimulation Conference (神
戸)の各年会における招聘シンポジウムで発信し
た。
・
精神科治療ガイドライン
の普及・教育・検証プロジ
ェクトを運営し、本邦にお
ける統合失調症とうつ病の
治療実態を把握する。
③
精神・神経疾患等の新た
な予防・診断・治療法の確
立や効果的な新規治療薬の
開発及び既存治療薬の適応
拡大等を目指した研究
6.精神科治療ガイドラインの普及・教育・検証プ
ロジェクトの運営
EGUIDEプロジェクトは47大学320医療機関が参
加する巨大なプロジェクトであり、毎年10回以
上の講習会を全国で行い、延べ5,000名以上が講
習を受講した。EGUIDEプロジェクトにおける検
証活動は、講習受講直後のガイドラインの理解
度の向上、その後のガイドラインを遵守した治
療行動調査における実践度の向上、処方行動を
診療の質(Quality Indicator: QI)という形で
測定し、例えば統合失調症患者の退院時の抗精
神病薬単剤治療率というようなQIを設定し、経
時的に測定することにより、講習の効果の有無
についての検討を行っている。本年度は、統合
失調症のガイドラインとうつ病のガイドライン
の講習の対面講習をそれぞれ10回行い、ウェブ
講習をそれぞれ2回ずつに加え、学会等におけ
るワークショップを5回行い、延べ587名が
参加した。今年度も、講習後には講習前と比較
して、ガイドラインの内容の理解度が向上し、
受講者の満足度は高かった。統合失調症とうつ
病の治療においては、睡眠薬処方は推奨されて
いないが、実臨床においては多くの患者に処方
されており、多剤併用の温床となっていること
が指摘されている。統合失調症とうつ病の両疾
患において、講習を受講した医師が担当した患
者においては、睡眠薬の処方率が低いこと、睡
眠薬の種類ではベンゾジアゼピン受容体作動薬
の処方率が低いことを明らかにし、精神科医の
治療行動に対する講習の効果を実証した(Nakam
ura et al., BMC Psychiatry, 2024)。
③
精神・神経疾患等の新た
な予防・診断・治療法の確
立や効果的な新規治療薬の
開発及び既存治療薬の適応
拡大等を目指した研究
③
精神・神経疾患等の新たな予防・診断・治療法の
確立や効果的な新規治療薬の開発及び既存治療薬の
適応拡大等を目指した研究
1. 新規の予防、診断、治療法の開発
精神・神経疾患等に対する ・ 精神・神経疾患等に対する
高度先駆的な予防・診断・治療
高度先駆的な予防・診断・治
法の開発に資する研究を引き
療法の開発に資する研究を
(1)霊長類モデル動物を用いた社会行動を担う神
経基盤の探索的研究
霊長類の3次元モーショントラッキング技術
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自己評価