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資料2‐1 令和6年度 業務実績評価書(案) (24 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59633.html
出典情報 厚生労働省国立研究開発法人等審議会 高度専門医療研究評価部会(第39回 8/5)《厚生労働省》
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様式2―1―4-1(別紙)
中 長 期 目 標
中 長 期 計 画

国立精神・神経医療研究センター
令 和 6 年 度 計 画
主な評価軸(評価の視
点)、指標等

年度評価

項目別評価調書
法人の業務実績等・自己評価

主な業務実績等

が必要であると考えられた.そこでEVに加えて認
知機能障害(Cognitive Impairment: CI)の有無
により再分類を行い,EVCI群として層別化するこ
とに成功した.その結果,EVCI群では統合失調症
の割合が高く,脳波異常や稀な病的コピー数変異
も顕著に高頻度で認められた.これは精神疾患の
新たな診断分類の候補となる可能性が示唆され
た.本成果は,精神疾患を脳科学的な指標により
分類することに初めて成功したものであり,今後
の精神疾患診断体系に影響を与えうる最重要な研
究成果であると考えられた(Yasuda et al.,
Neuropsychopharmacol Rep, 2025).また、統合
失調症患者の精神症状の基礎にある病態生理学的
メカニズムとして,異常なサリエンス処理が提唱
されており,そのうちの視覚サリエンスについて
統合失調症238例,双極症41例,うつ病50例,自
閉スペクトラム症133例,健常者550例合わせて
1012例の疾患横断的なメタアナリシスを行った.
その結果,統合失調症に最も強く視覚サリエンス
異常が認められ,次いで双極性障害,大うつ病性
障害,自閉症スペクトラム障害の患者においても
認められ,これらの疾患のサリエンス処理の異常
と精神病の強さ・頻度との関連が示唆された
(Miura et al,Mol Psychiatry,2025).



戦略的な研究・開発

精神・神経疾患等の実態 ② 精神・神経疾患等の実態
把握を目指した研究
把握を目指した研究



精神・神経疾患等の実態把握を目指した研究

1. 精神・神経疾患等の実態把握のための調査、精
神保健に関する疫学研究

精神・神経疾患等の本態解
精神・神経疾患等における ・ 精神・神経疾患等における
明を目指した研究、精神・神 罹患、転帰その他の状況等の
罹患、転帰その他の状況等
経疾患等の実態把握を目指 実態及びその推移に関する疫
の実態及びその推移並びに
した研究、精神・神経疾患等 学研究等を引き続き推進する
精神保健に関する疫学研究
の新たな予防・診断・治療法 。特に精神・神経疾患等に対す
等を引き続き推進する。そ
の確立や効果的な新規治療 るバイオバンクを活用したエ
のために、国立研究開発法
薬の開発及び既存治療薬の ビデンス(証拠、根拠)に基づ
人日本医療研究開発機構
適応拡大等を目指した研究、 く医療及びゲノム医療実現の
(以下「AMED」という)から
均てん化を目指した研究に ためのコホート研究並びに精
の支援によるオールジャパ
取り組む。
神保健に関する疫学研究に
ン体制で取り組んでいる精
重点的に取り組む。
神疾患レジストリの構築を
強力に推進する。

(1)精神科医療機関における包括的支援マネジメ
ントの普及に向けた精神保健
入院期間1年以上で退院した患者を対象とし
て、療養生活継続支援加算や退院時共同指導料
、外来ケースマネジメントに関するスクリーニ
ング調査を行った。調査には6病院が参加し、
101名が対象となった。その結果、対象者の多
くが残存症状や重い機能障害を抱えたまま退院
していた。また、療養生活継続支援加算や退院
時共同指導料はほぼ算定されておらず、外来ケ
ースマネジメントを利用できた対象者も限られ
ていた。これらの知見は今後の加算の在り方を
考える際に生かされる。
<英語原著論文>
Yamaguchi, S., Ojio, Y., Koike, J., Mats
unaga, A., Ogawa, M., Kikuchi, A., Kawashi
ma, T., Tachimori, H., Bernick, P., Kimura
, H., Inagaki, A., Watanabe, H., Kishi, Y.
, Yoshida, K., Hirooka, T., Oishi, S., Mat
suda, Y., & Fujii, C. (2025). Associations
between readmission and patient-reported
measures in acute psychiatric inpatients:
a multicenter prospective longitudinal stu
dy. Social Psychiatry and Psychiatric Epid
emiology, 60(1), 79–93. https://doi.org/10
.1007/s00127-024-02710-5

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自己評価