資料2‐1 令和6年度 業務実績評価書(案) (17 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59633.html |
出典情報 | 厚生労働省国立研究開発法人等審議会 高度専門医療研究評価部会(第39回 8/5)《厚生労働省》 |
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中 長 期 目 標
中 長 期 計 画
国立精神・神経医療研究センター
令 和 6 年 度 計 画
主な評価軸(評価の視
点)、指標等
年度評価
項目別評価調書
法人の業務実績等・自己評価
主な業務実績等
with Stable Microtubules.
・筋ジストロフィーの人工
核酸医薬品等を用いた治
療薬の研究開発・応用
(3)霊長類モデル動物を用いた脳神経機能及び
その疾患に関する基盤的研究
本研究では、NCNPが開発した自閉スペクト
ラム症モデル・マーモセットにおいて、大脳
皮質の投射特異的なシナプス構築異常を生体
二光子顕微鏡により世界で初めて可視化し、
定量的に記述した。特に、異常なスパインの
クラスター生成とその維持の亢進が確認され
、局所神経回路の過剰な可塑性が自閉症の病
態形成に関与する可能性を示した点が注目さ
れる。さらに、オキシトシンの鼻腔投与によ
りこの異常が顕著に緩和されることを発見し
、臨床応用可能性の高い介入手段としての意
義を実証的に支持した。
本成果は、霊長類モデルを用いたトランス
レーショナル・リサーチにより、自閉症の新
たな治療標的の探索と、個別化医療への応用
可能性を拓くものである。
・多発性硬化症、視神経脊髄
炎、プリオン病及び難治て
んかんなどの難治性・希少
性の高い疾患における治
療薬開発、標準治療法の確
立に向けての研究
・神経難病における既存の
治療法に対する治療反応
性の検証による適正な治
療選択法の研究開発
・バイオマーカー、臨床脳画
像等の活用による、パーキ
ンソン病、認知症、脊髄小
脳変性症、統合失調症、う
つ病、発達障害、物質依存
症・嗜癖行動等の客観的評
価に耐える診断・治療法の
研究開発
<英語原著論文>
Noguchi, J., Watanabe, S., Oga, T., Is
oda, R., Nakagaki, K., Sakai, K., Sumida
, K., Hoshino, K., Saito, K., Miyawaki,
I., Sugano, E., Tomita, H., Mizukami, H.
, Watakabe, A., Yamamori, T., & Ichinohe
, N. (2024). Altered projection-specific
synaptic remodeling and its modificatio
n by oxytocin in an idiopathic autism ma
rmoset model. Communications biology, 7(
1), 642. https://doi.org/10.1038/s42003024-06345-9.
・精神疾患等に対するバイ
オバンクを活用したエビ
デンス(証拠、根拠)に基
づく医療及びゲノム医療
の実現のためのコホート
研究並びに精神保健に関
する疫学研究
・精神保健医療福祉政策に
資する、精神・神経疾患等
に関する正しい理解と社
会参加の促進方策、地域生
活を支えるサービス等を
提供できる体制づくり等
に関する研究
(4)多発性硬化症病態における腸内細菌叢・マイ
クロバイオーム偏移解明と個別化治療に関連
する研究
fMRIで取得できるデフォルトモードネット
ワークは、ヒトの精神疾患・発達障害において
変化が見られることが報告されている。モデ
ル動物におけるデフォルトモードネットワー
クが、ヒトと相同であるか調べることは、モデ
ル動物の価値をあげるために重要である。
我々はマーモセットにおけるデフォルトモー
ドネットワークが、ヒトではどのネットワー
クに実際には属しているかを提示したSPMS患
者 の 腸 内 で 増 加 し て い る 細 菌 Tyzzerella
nexilisを同定した(Takewaki et al Cell Rep
2024)。同細菌のB株は、TLR5 ligandや細胞接
触に重要な分子を発現し、動物モデルEAEを悪
化させることがわかった。B株を特異的に除去
する治療のシーズも獲得している。本成果は、
欧州MS学会のオンライン記事(注目の研究)で
取り上げられた。さらにMS患者の口腔内で増
加している細菌株を同定することにも成功
し、MSの補助診断法としての唾液細菌解析に
ついて特許出願を行った。Cell Reports誌に公
表した。
・摂食障害、物質依存症・嗜
癖行動、PTSD、児童期虐待
等の、社会的影響の大きい
重度ストレス疾患に関し
て、NMDA 受容体等の脳機
能の分子生物学的研究に
基づいた病態解明と治療
法の開発に向けた研究に
取り組むなどして、重点的
な研究・開発を実施するこ
と。
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自己評価