資料2‐1 令和6年度 業務実績評価書(案) (21 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59633.html |
出典情報 | 厚生労働省国立研究開発法人等審議会 高度専門医療研究評価部会(第39回 8/5)《厚生労働省》 |
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中 長 期 目 標
中 長 期 計 画
国立精神・神経医療研究センター
令 和 6 年 度 計 画
主な評価軸(評価の視
点)、指標等
・ 自閉症、統合失調症、
ADHD、薬物依存などに関
連
す
る
Autism
Susceptibility
Candidate 2 の脳神経系
の発生における役割を明
らかにするとともに、そ
の機能障害による精神疾
患発症の病態を解明す
る。
年度評価
項目別評価調書
法人の業務実績等・自己評価
主な業務実績等
4. Autism Susceptibility Candidate 2(AUTS2)
の役割の解明等による自閉症、統合失調症、
ADHD、薬物依存等の病態解明に関する研究
AUTS2遺伝子の新しい機能として、AUTS2タンパ
ク質がポリコーム複合体2(PRC2)と協働し、Rob
o1遺伝子を含む神経系の発生に関わる遺伝子のヒ
ストンメチル化を制御することで、これらの遺伝
子の発現を抑制することを明らかにした。
この制御機構の解明により、AUTS2遺伝子の機
能不全が中間神経前駆細胞の分裂抑制を引き起こ
し、結果として小頭症の発症につながる新たな病
態メカニズムを解明した。
本研究の成果は、科学雑誌「The EMBO Journal
」に掲載され、プレスリリースとしても記者会見
を行った。
Shimaoka et al. The microcephalyassociated transcriptional regulator AUTS2
cooperates with Polycomb complex PRC2 to
produce upper-layer neurons in mice.The EMBO
Journal
・ 自閉スペクトラム症、
ADHD や学習障害に併存す
る精神疾患の研究におい
て、神経心理学、臨床神経
生理学、生化学(血液)
、
脳画像解析学的な 解析
を導入して病態を解明し
て、診断・経過判定に有効
なバイオマーカーの同定
のための研究を行う。
・ 自閉スペクトラム症、注
意欠如・多動症研究にお
いて、ヒトを対象にした
認知神経科学研究を遂行
するとともに、齧歯類動
物モデルに関する研究も
進め、発達障害の病態解
明を目指す。
5. 自閉スペクトラム症、ADHDに併存する精神疾患
の病態解明における、診断・経過判定に有効なバ
イオマーカーの同定に関する研究
自閉スペクトラム症、ADHDの児童、成人におい
て、表情と視線の認知、実行機能と報酬系、多様な
時間知覚といった多面的な神経心理学的機能を測
定し、対人反応性、感覚過敏、不注意、多動性−衝
動性と関連する行動上の問題、併せて、令和6年度
に成人 68名 、小児 19名のデータを追加した。
・ PTSD 等ストレス関連疾
患の病態解明のため、ゲ
ノム、機能的脳画像、認知
機能等についての患者と
健常者の比較対照研究を
推進し、発症と慢性化に
関する要因を解明すると
ともに、治療効果研究を
行い、治療効果の生物学
的指標を検討する。
6.自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症等の発
達障害の病態解明を目指した研究
自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症研究に
おいて、ヒトを対象にした認知神経科学研究を遂
行し、NMDA受容体をブロックすることにより、齧
歯類において養育行動が減弱することを見出し、
論文として発表した。
7. PTSDの病態解明における、ゲノム、機能的脳画
像、認知機能等についての患者と健常者の比較対
照研究による発症と慢性化に関する要因を解明に
係る客観的な検査指標の探索
・ 被験者リクルートを継続し、現在までに合計
364名(令和6年度:22名)のデータを収集
するなど、データベース・サンプルリソース
をさらに拡充させた。本年度の主要な成果と
して、PTSDの血中脂肪酸プロファイルを明ら
かにした下記論文が出版された。
・ Ogawa et al. Serum lipid and plasma fatt
y acid profiles in PTSD patients and hea
lthy individuals: Associations with symp
toms, cognitive function, and inflammato
ry markers. Prog Neuropsychopharmacol Bi
ol Psychiatry. 2025 Feb 21;138:111298.
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自己評価