資料1‐1 令和6年度 業務実績評価書(案) (74 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59553.html |
出典情報 | 厚生労働省国立研究開発法人等審議会 高度専門医療研究評価部会(第40回 8/7)《厚生労働省》 |
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様式 2―1―4-1(別紙)
中 長 期 目 標
国立成育医療研究センター
中 長 期 計 画
令和6年度計画
キ 小児臓器移植医療の一層 ケ
小児臓器不全(心臓、肝臓、小
の拡充を目指し、肝臓移植を 腸、腎臓)に対する臓器移植医療を 50
中長期目標期間中に 200 件以 例以上実施する。
上実施する。
また、心臓移植を中長期目
標期間中に 1 件以上実施す
る。
年度評価
項目別評価調書
主な評価軸(評価の視点)、指
標等
1-3
法人の業務実績等・自己評価
主な業務実績等
自己評価
・耳鼻咽喉科では新生児・乳児期の気管切開を 13 例
(前年度 14 例)施行した。また出生直後の上気道閉
塞が疑われる症例に対し、EXIT 法によって臍帯がつ
いたまま気管内挿管した例が 1 例あった。また新生
児期の呼吸障害や喘鳴のため、全身麻酔下での観察
を行ったのが 8 例、舌根嚢胞や喉頭軟弱症と診断し
喉頭上形成術を行った例は 5 例であった。大きな気
管食道瘻のために新生児搬送を受けた症例は、ECMO
下に外科と共同で気管および食道それぞれを修復
し、無事地域の病院に転院となった。
・上気道閉塞症候群の事前の適切な
診断により、必要以上に母胎に負担
をかけずに気道確保が行えた。ま
た、新生児の複雑な気道狭窄・閉塞
疾患に対して、高度な医療を提供す
ることができている。
[定量的指標]
■ 小児の肝臓移植実施件 ・令和 6 年度は 56 例(前年度 62 例)の肝臓移植、8
数:200 件以上
例(前年度 9 例)の腎移植を実施し、生存率は
95.4%と全国平均小児肝移植 1 年生存率 90.8%と比
[評価の視点]
較して良好であった。生体小児肝移植症例数は国内
・小児臓器移植医療の拡充 最多である。
等に取り組んでいるか。
・優れた手術手技・周術期管理・早期リハビリテー
ションに加え、移植後に重篤となりうるウイルス感
染症の早期発見・感染対策・治療介入を実施してい
るため、術後合併症による死亡症例を認めなかっ
た。
・令和 6 年は 56 例の肝移植を実施したが、令和 5 年
度より引き続き「腹腔鏡下生体ドナー肝採取術」を
計1症例に実施し、ドナー・レシピエントともに術
後大きな合併症なく順調に経過した。
・国内最多の生体肝移植症例数を実
施し、生存率は 95.4%であった。
・8 例の腎移植を実施し、100%の生
存率であった。
・令和 5 年度までに実施した ES 細胞
由来の肝細胞移植 5 症例について令
和 6 年度も引き続き経過観察し、大
きな問題なく経過しており、高アン
モニア血症の原因となる代謝性疾患
に対する ES 細胞から作成した肝細胞
移植の更なる臨床実施が期待され
る。
・令和 5 年度に実施した脳死小腸移
植 1 例を含めて生存する 3 例につい
て引き続き経過観察し、特に大きな
問題なく経過中である。現在、脳死
小腸移植 2 例待機中であるが、その
1 例は小腸不全関連肝硬変にてすで
に生体肝移植実施済みである。小腸
不全関連肝障害を伴った症例に対す
る肝・小腸同時移植の重要性を認識
し、臓器分配に対する適切なシステ
ムの早急な構築が必要と考える。
[定量的指標]
■ 小児の心臓移植実施件 令和 6 年度においては、対象となる小児ドナーがい 新体制となり、さまざまなことにつ
数:1 件以上
なかったため、小児心移植の実施には至らなかっ いて改善が必要であったが、循環器
た。
科、新生児科、麻酔科、集中治療科
をはじめとして各科の協力のおかげ
で比較的スムーズに始動できた。今
後はさらに手術数の増加、手術成績
の安定化を図りたい。
・新規臓器移植として本邦で初となる小児脳死ドナ ・新規臓器移植として小児脳死肝・
ーからの肝・腎同時移植を実施した。
腎同時移植を実施し良好な経過であ
る。本邦において肝・小腸移植、
肝・腎移植等の複数の臓器移植の必
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