資料1‐1 令和6年度 業務実績評価書(案) (14 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59553.html |
出典情報 | 厚生労働省国立研究開発法人等審議会 高度専門医療研究評価部会(第40回 8/7)《厚生労働省》 |
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中 長 期 目 標
国立成育医療研究センター
中 長 期 計 画
令和6年度計画
年度評価
項目別評価調書
主な評価軸(評価の視点)、指
標等
1-1
法人の業務実績等・自己評価
主な業務実績等
自己評価
貢献する研究に参加した(Yamamoto R, J Allergy
Clin Immunol Pract.2024;12(3):786-788.)。
• 当科に通院する小児アレルギー患者の卵とナッツ
類の感作時期を評価し、その違いから最適な導入の
時期や、早期導入食のタンパクの性質を評価した
(Hamaguchi S, Clin Exp Allergy.2024;54(9):700702,HamaguchiS,ClinExpAllergy.2024;54(11):939942)。
• 食物アレルギーの早期導入に関する検討として、
わが国の乳児におけるアレルゲン食品の早期導入の
実現可能性と安全性を評価し、湿疹を有する乳児へ
の早期導入が安全であることを示した(Harama D,
Nutrients.2024;16(11):1578)。
• 牛乳アレルギー患者における経口免疫療法による
寛解の予測モデルを開発した(Hirai S, World Allergy Organ J.2024;17(5):100910)。
•定量的リスク評価モデルを使用して乳児期早期の
食物アレルギー児における ED (eliciting dose,誘発
閾 値 )を 検 討 し た
TakadaK,Allergy.2024Feb;79(2):533-536.)。
[定量的指標]
・医療に大きく貢献する主要な研究成果として、以
下の 13 件が挙げられる。
成育医療分野において、大
成育医療分野において、大学や企業等 ■ 医療に大きく貢献する 疾患患者のゲノム・エピゲノム解析とそれに基づく
学や企業等と相互の強みを活 と相互の強みを生かしながら有機的な連 研究成果を中長期目標期間 細胞実験と動物実験によって、4 つの遺伝性疾患の
かしながら有機的な連携によ 携を行い、独創的な研究を展開するほ 中に 20 件以上あげる。
原因を解明した。
る独創的な研究を展開すると か、成育医療に資する研究目標を定め、
①先天性甲状腺機能低下症を招く 15 番染色体非コー
ともに、成育医療に資する研 研究を推進するとともに、医療推進に大
ドゲノム異常の発見(Nat Genet に掲載)
。
究目標を定め、長期的・継続 きく貢献する研究成果を 4 件以上あげ
②汗孔角化症の新規責任遺伝子 FDFT1 を同定し、
的な取組が不可欠な基盤的・ る。
FDFT1 遺伝子プロモーター領域に特異的な DNA 高メ
重点的研究を推進し、医療に
チル化が局所型疾患責任エピ変異となる新規発症機
大きく貢献する研究成果を中
構を解明(The American Journal of Human Genetics
長期目標期間中に 20 件以上あ
に掲載)。
げることとする。
③LMNA p.Q353R 変異がビタミン D シグナル伝達障害
を介して拡張型心筋症の原因となることを解明
(Circulation に掲載)
。
④精子形成不全の新規原因遺伝子 KCTD19 バリアン
トの同定(Reprod Med Biol に掲載)。
⑤免疫系と神経系の連関については古くから指摘さ
れていたが、その具体的な分子経路については不明
な点が多く残されていた。私達は神経細胞に特異的
に遺伝子導入する技術を用いて、アレルギー性炎症
を惹起するサイトカイン(IL-4,IL-5,IL-13)の下
流に存在する JAK1 が、免疫細胞ではアレルギー性炎
症の惹起に関与することを証明した。また皮膚の感
覚神経では痒みを誘発することで、炎症増悪に寄与
することが知られている。一方で、本研究により、
肺の末梢感覚神経では神経ペプチドの分泌を介し
て、アレルギー性気道炎症を抑制することが明らか
になった(Cell 2024 [Impact factor 64.5]に掲
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多施設共同研究の成果として 4 つ
の疾患の新規発症原因を解明し
た。これらは、未診断症例の確
定診断を可能とし、よりよい治
療法の開発につながる成果であ
る。
・神経系がアレルギー疾患の発
症機序に関与することを示す重
要な知見であり、今後の発展が
期待される。