資料1‐1 令和6年度 業務実績評価書(案) (18 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59553.html |
出典情報 | 厚生労働省国立研究開発法人等審議会 高度専門医療研究評価部会(第40回 8/7)《厚生労働省》 |
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中 長 期 目 標
国立成育医療研究センター
中 長 期 計 画
令和6年度計画
年度評価
項目別評価調書
主な評価軸(評価の視点)、指
標等
1-1
法人の業務実績等・自己評価
主な業務実績等
自己評価
な成果を挙げた。例えば、胎盤でのフェロトーシス
が妊娠合併症の発症メカニズムに関与することを見
出し、レチノイン酸によるフェロトーシス制御が胎
盤機能不全に関連する合併症の予防や治療に新たな
展望をもたらした。また、中枢性思春期早発症の発
症における単一遺伝子変異とインプリンティング疾
患の重要性を明らかにした。
有病率の高いアレルギー疾患は複数の遺伝子と環境
要因が発症に関わるとされている。その一方、こう
した common disease の中に主として若年発症で治療
抵抗性の患者の一部に単一遺伝子の機能異常によっ
て誘導される monogenic disorder が紛れていること
が明らかになって来ている。私達は 2022 年度に論文
報告した STAT6 の機能増強変異(乳幼児期からの難
治性のアトピー性皮膚炎、好酸球性消化管疾患を伴
う)は、その後、世界中から次々に症例が報告さ
れ、世界中に患者が一定する存在することが明らか
となった。世界中の医師/研究者等と共に、「STAT6
機能獲得型変異疾患の国際コンソーシアム」を立ち
上げ、同疾患患者の遺伝学的、臨床的特徴を明らか
にし、新たな疾患概念として確立した(Trends Immunol 2024 [Impact factor 16.8]に掲載)
。新たに
AMED 研究費「重症アレルギー疾患の新規原因遺伝子
変異の同定と機能解析を通じたアレルギー疾患の新
規治療/予防標的の創出」を獲得し、全国の病院と
連携して、同患者の適切な診断と、新たな遺伝子変
異の探索を開始している。
その成果の一端として、重症炎症性腸疾患患児の一
例に TRAF3 の機能喪失変異を認め、論文報告した
(Intest Res 2024 [Impact factor 3.4]に掲載)。
今後も、研究・診療体制を強化し、早期診断、先制
医療の実現に向けた取り組みを行なっていく。
Inborn error of immunity (IEI)
の解析を通じてアレルギー疾患
の病態形成における分子経路が
明らかになることが注目されて
いる。新規に獲得した競争的資
金による研究で成果が出てお
り、更なる発展が期待できる。
・倫理審査の一層の適正化・効率化を図るため、昨
年度に見直した倫理審査委員会の審査手順で実施す
るとともに、審査委員会、臨床研究審査委員会及び
治験審査委員会(IRB)において審査した研究に関
する情報を倫理審査委員会は 12 回(前年度 12 回)、
臨床研究審査委員会は 11 回(前年度 12 回)、IRB は
11 回(前年度8回)更新する等情報公開に努めた。
審査した研究課題や審議内容、審査結果等について
は、ホームページ上で迅速(概ね 1 ヶ月以内)に情
報を発信している。
・倫理審査申請について、システムによる管理を継
続した。これにより、研究課題のデータ管理が可能
となり、自動メール機能により申請状況が円滑に管
理された。
・昨年度に見直した倫理審査委
員会の審査手順で、引き続き中
央一括審査を実施している。ま
た、研究期間終了後の研究の取
扱い等について、委員会の方針
を決定し、設定・整備した審査
不要の要件、試料情報のみ提供
する場合の院内手続きに従い、
引き続き倫理審査の適正化・効
率化を図るとともに、審査した
研究課題や審議内容、審査結果
等については、ホームページ上
で迅速に情報を発信している。
・前年度に続いて治験審査委員会をウェブ開催で行
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