資料1‐1 令和6年度 業務実績評価書(案) (39 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59553.html |
出典情報 | 厚生労働省国立研究開発法人等審議会 高度専門医療研究評価部会(第40回 8/7)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
国立成育医療研究センター
年度評価
項目別評価調書
主な評価軸(評価の視点)、指
標等
1-1
法人の業務実績等・自己評価
中 長 期 目 標
中 長 期 計 画
令和6年度計画
特に女性の健康に関する調
査・研究は、性ホルモンが
生涯を通じて大きく変化す
るという特性を踏まえつ
つ、医学的視点だけではな
く多様なアプローチが必要
となる可能性を考慮する。
上記①及び②の研究・開発
により、医療推進に大きく
貢献する研究成果を中長期
目標期間中に 20 件以上あげ
ること。また、中長期目標
期間中の原著論文数につい
ては、2,500 件以上とするこ
と。
つ融合的な視点から研究開発
に取り組むとともに、女性に
生じる様々な心身の不調を含
めた発症メカニズム解明と女
性の QOL の向上にも資する予
防法や早期発見及び治療法の
開発を目指す。
を含めた発症メカニズム解明と女性
の QOL の向上にも資する予防法や早期発
見及び治療法の開発を目指す。なお、
女性医学に携わる医療者、研究者、関連
学会などと連携し、研究開発を推進す
る。
QOL 向上に寄与し、ライフコース疫学研究室は 2,000 に取り組んだことで、女性の QOL
万件のビッグデータ取得により女性医学に関する研 向上やライフコース全体を通じ
究基盤を整備した。
た健康支援に資する成果をあげ
ることができた。特に、複数の
研究室間の連携によって、疾患
メカニズムの解明と実用的支援
技術の開発が同時並行的に進ん
だ点は、本センターの持つ総合
的な研究力の表れであった。
イ 性差医療に関する研究開
発
女性特有の疾患だけでなく、
男女で共通して起こる疾患も
対象に、生物学的性別等を考
慮した分析を行い、疾患病態
や治療効果などの臨床像及び
発症メカニズムにおける性差
の解明を目指す。また、科学
的エビデンスに基づき、性差
を考慮した疾患の予防、診
断、治療に関する研究開発を
推進する。
イ 性差医療に関する研究開発
<女性のライフコース推進 WG>
女性特有の疾患だけでなく、男女で共通
して起こる疾患も対象に、生物学的
性別等を考慮した分析を行い、疾患病態
や治療効果などの臨床像及び発症メカニ
ズムにおける性差の解明を目指す。
また、性差医療・医学に携わる医療者、
研究者、関連学会などと連携し、科
学的エビデンスに基づく、性差を考慮し
た疾患の予防、診断、治療に関する研究
開発を推進する。
令和 6 年度は、性差医療の研究基盤を構築するた
め、複数の研究室が生物学的性に着目した研究を推
進した。女性内分泌学研究室では、X 染色体不活性
化機構の解明を通じて、細胞レベルでの性差の本質
に迫る知見を得た。女性免疫バイオメディカル研究
室および女性のライフストレス制御研究室は、胎盤
組織を用いた空間トランスクリプトーム解析やオミ
クス解析を進め、妊娠期の免疫応答における性差の
分子基盤を探索した。また、女性の健康推進研究室
は、NDB を用いて五大疾病の年齢別性差の解析を進
め、性差に基づいた疾患理解と政策への応用を見据
えたデータ活用体制を整備した。
令和 6 年度は、性差医療に関する
研究基盤の強化と、データ・分
子・臨床の多層的視点からの性
差解析を推進できた点におい
て、重要な進展があった。各研
究室が独自の専門性を活かしな
がらも、連携のもとで胎盤・幹
細胞・ビッグデータといった多
様な対象に取り組んだことによ
り、性差医療の多様な側面に対
応する知見を蓄積することがで
きた。また、政策・産業との接
点も視野に入れた応用志向の研
究推進体制が整いつつあり、今
後の社会実装に向けた道筋をつ
けた。
ウ 性ホルモンの作用に関す
る研究開発
性差医学の観点から、基本
的な生物学的性差の実態とそ
の成立機構の解明及び男女に
共通する疾患における病態の
性差を引き起こす分子メカニ
ズムの解明を目指す。
ウ 性ホルモンの作用に関する研究開発
<女性のライフコース推進 WG>
性差医学の観点から、基本的な生物学
的性差の実態とその成立機構の解明及
び男女に共通する疾患における病態の
性差を引き起こす分子メカニズムの解明
を目指す。
令和 6 年度は、性ホルモンの作用に関する基礎研究
を通じて、生物学的性差の成立機構に関する理解が
深 ま っ た 。 女 性 内 分 泌 学 研 究 室 で は 、「 XIST 」
「XACT」に着目し、オルガノイドを用いた解析によ
り性ホルモンとエピゲノムの相互作用を明らかにし
た。女性免疫バイオメディカル研究室と女性ライフ
ストレス制御研究室は、胎盤を対象に空間遺伝子発
現やオミクス解析を実施し、妊娠期における性差の
分子基盤を探究した。女性の健康推進研究室では、
出生体重と妊孕性の関係を疫学的に分析し、ホルモ
ンのライフステージ別影響に関する知見を蓄積し
た。
令和 6 年度は、性ホルモンの作用
に関する研究において、分子・
細胞・組織・個体レベルでの性
差の成立メカニズムを多面的に
探究し、性差医学の基盤強化に
貢献できた。特に、X 染色体不活
性化やホルモンとエピゲノムの
関係性といった根本的な性差成
立機構に迫る研究が進み、今後
の疾患理解や個別化医療への応
用が期待される成果を得た。ま
た、異分野融合的な共同研究体
制のもとで、基礎研究と臨床・
公衆衛生の接続も意識した研究
展開がなされており、研究の社
会的意義も高まった。
38 / 148
主な業務実績等
自己評価