【資料1-1】令和8年度研究事業実施方針(AMED研究)(案) (91 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》 |
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抗剤の開発を進めた。シラスタチンが、一種のメガリン拮抗剤として、薬剤性急性腎
障害を抑制することに加えて、メガリンを介する溶血性腎症の抑制にも有用であるこ
とを明らかにした。さらに、メガリンの立体構造に基づいたスクリーニング等により、
ヒット化合物を同定した。
【成果の活用】本研究の成果を発展させ、より効果的な新規メガリン拮抗剤の開発を進
める。拮抗剤による腎障害の予防・治療手段が増加することにより、医療費の抑制に
貢献する可能性がある。
2 令和8年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び
期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】AMPK シグナルを基軸とした尿細管上皮細胞修復障害の解明と治療戦略
【概要】CKD における AMP 活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の AMP 感知機構(AMPK シ
グナル)の尿細管の修復傷害への関与を単離尿細管を用いたマルチオミクス解析によ
り明らかにする。
【成果の活用】尿細管傷害に関与する共通のシグナルを同定することで、AMPK シグナル
を標的としたこれまでになかった CKD の治療法の開発に繋げる。
【課題名】グルコース応答性転写因子 ChREBP をターゲットとした糖尿病性腎臓病の新
規治療戦略の開発
【概要】糖尿病性腎臓病(Diabetic Kidney Disease, DKD)においてグルコース応答性
転写因子 ChREBP の病態関与の分子機序の詳細を解明する。
【成果の活用】解明された分子機序に関する知見を基に、既存薬とは異なる作用機序で
ある ChREBP を創薬標的とした DKD の治療法の開発に繋げる。
【課題名】不良細胞外小胞を標的とした慢性腎臓病と腎性老化現象の病態解明
【概要】CKD によって不良細胞外小胞(EV)が伝播する疾患シグナルと、CKD 及び腎性
老化現象の分子病態解明を行う。また、EV 分泌機構を標的とした革新的な慢性腎臓病
の治療核酸医薬シーズの同定を目指す。
【成果の活用】解明された CKD の新規病態に関する知見を基に、これまでにない治療法
を開発する。
(2)新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要、及び期待される研究成果の政
策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】腎臓をターゲットにした画期的治療法の開発「シーズ最適化・非臨床 POC 確
認」(1課題)
【概要】CKD のみならず、CKD の原因とした重要な急性腎障害の予防・治療にも活用可
能なエビデンスを創出する。また、治療標的分子などを確立し、新規腎疾患治療技術
の実用化につなげる。
【成果の活用】シーズの創薬化を目指し、非臨床 POC(動物実験などによる新規治療法
の有効性の証明)を取得し、臨床研究に繋げる。
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