【資料1-1】令和8年度研究事業実施方針(AMED研究)(案) (104 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》 |
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【課題名】プリン作動性化学伝達の出力装置を標的とした神経障害性疼痛の発症・慢性
化メカニズムの解明と予防基盤の確立(令和6~8年度)
【概要】マウスを用いて神経障害性疼痛の発症・慢性化メカニズムを解明し、神経障害
性疼痛に有効な物質を明らかにした。具体的には、脊髄の VNUT 阻害が神経障害性疼
痛に有効であること、VNUT 阻害活性を有する Eicosapentaenoic acid (EPA)の代謝物
が神経障害性疼痛に対して低用量で鎮痛効果を発揮することを明らかにした。
【成果の活用】EPA を基軸とした栄養学的な予防・治療法の基盤を確立し、有効な予防
法(健康食品)と治療薬(医薬品)を患者に届けることを目指す。
【課題名】先端的遺伝子改変技術を応用した線維筋痛症病態の多次元解析とバイオマー
カーおよび新規治療法の探索(令和6~8年度)
【概要】患者病態の特徴に基づき、線維筋痛症患者の層別化 (タイプ別化) を行い、血
中に分泌される遊離タンパク質量を測定・バイタル解析と照合することで、タイプ別
線維筋痛症バイオマーカーを選定する。一方、ヒト線維筋痛症様モデル動物を作製し、
様々な痛み関連行動の発現有無を解析する。また、脳内 GABA 神経変容により発症が
懸念される不安・睡眠障害を評価する。【成果の活用】
現在の線維筋痛症治療に使用されている線維筋痛症対処薬の効果について、新規モデ
ル動物で再検証し、線維筋痛症に代表される痛覚変調性疼痛に対する新規バイオマー
カーの確立や予防法および原因治療法を提案していく。
2 令和8年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び
期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】心理社会的ストレスによる慢性疼痛増悪メカニズムの解明(令和6~8年度)
【概要】心理的社会的ストレスが慢性疼痛を増悪・難治化させる中枢機序(関与する脳
領域、発生機序)を解明する。また、心理的社会的ストレスによる慢性疼痛の増悪に
対する治療薬の探索(既存の神経障害性疼痛に対する治療薬の有効性の検証も含む)
を行う。
【成果の活用】新たな治療法の開発を達成することで、慢性疼痛を抱える患者の QOL 向
上に大きく貢献できる。また、慢性疼痛に伴う抑うつや不安といった精神症状の治療
法の開発にも応用が可能であるため、心理社会的ストレスに苦しむ個人の社会復帰促
進が期待される。
【課題名】線維筋痛症における神経-免疫-止血系ネットワークの役割とそれを標的とす
る治療シーズに関する研究(令和7~9年度)
【概要】線維筋痛症における痛みの慢性化状態では「痛みの中枢感作」が起こっている
ことがよく知られている。線維筋痛症の発症機序を含む病態解明を目的として、HMGB1
が線維筋痛症にどのように関与するかを明らかにする。加えて、HMGB1 又はその上流・
下流分子を標的とする薬物が線維筋痛症の治療に応用できるか、あるいは治療薬開発
のためのシーズになりうるか否かを評価する。
※
HMGB1 末梢の神経-免疫-止血系ネットワークとその情報伝達において中心的な役割を果たすタンパク質
【成果の活用】線維筋痛症の病態を解析することで新たな治療薬開発へとつなげる。
(2)新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要、及び期待される研究成果の政
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