【資料1-1】令和8年度研究事業実施方針(AMED研究)(案) (68 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》 |
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令和8年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び
期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】希少難治性疾患の克服に結びつく病態解明研究分野
【概要】本研究事業では毎年薬事承認を得ているが、継続的な新薬の創出が課題である。
「創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議」では創薬
シーズの創出には基礎研究の強化の必要性が指摘されている。当該研究分野では、病
態解明による創薬標的の探索から検証までを行うことで、病態解明研究を創薬研究に
シームレスに繋げることを目指している。一方、指定難病 348 疾患(令和 7 年 4 月)
に加え、未指定の希少難治性疾患は多数あり、多くの疾患で病態の解明から創薬標的
の創出、そして治療に繋がる医薬品が求められている。希少難治性疾患患者に最新の
医薬品を届けるためには、長期的な時間軸に基づいた基礎研究課題の数および質の向
上が重要である。
【成果の活用】シーズ探索研究への支援による創薬研究の活発化、競争によるより良い
研究を生み出し、希少難治性疾患における日本の創薬力の強化に貢献する。
【課題名】希少難治性疾患に対する画期的な再生・細胞医療・遺伝子治療の実用化に関
する研究分野
【概要】「創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議」に
おいて、我が国のドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスが、希少難治性疾患の新規モダリ
ティ医薬品を中心に問題視されている。この問題の解消に向けて、遺伝子治療用医薬
品の製造拠点数の増加や人材の育成を推進する。しかし、現状の研究費の規模では GLP
や GMP 製造が困難であり、増額が不可欠である。
【成果の活用】希少難治性疾患の克服を目指した新規モダリティ医薬品開発を通して、
我が国のドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス解消に貢献する。
【課題名】希少難治性疾患における分散型臨床試験の実施準備(令和7年度~)
【概要】患者が実施医療機関へ来院しなくても臨床試験に参加できる分散型臨床試験
(DCT)が国内外において近年注目されている。希少難治性疾患の特性(患者ならびに
診断・評価ができる専門医師の希少性、頻回来院の困難さ、長期療養の必要性等)か
ら DCT の実現の意義は大きい。一方で、希少難治性疾患では開発候補物の治療効果判
定や副作用モニタリングに専門性を有するため、DCT の実施にあたっては他領域とは
異なる体制等が必要となる。また、薬剤管理・投与は患者・家族の負担となりうるた
め、サテライト医療機関や訪問看護などの協力も必要となる可能性がある。したがっ
て、既存治療において DCT シミュレーションを実施し、希少難治性疾患の特性を考慮
した DCT 実施の利点と課題を抽出し、対象疾患に応じた DCT 実施を目指す。
【成果の活用】自宅など院外でも臨床試験に参加できる等、希少難治性疾患の患者や家
族の負担軽減や効率化により分散型臨床試験の実施可能性を向上させる。
(2)新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要、及び期待される研究成果の政
策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】希少難治性疾患の個別化医療の実現に向けたゲノム研究
【概要】患者ごとの遺伝的背景に基づいた精緻な病名特定と治療法の提供の実現を目指
す。希少難治性疾患は遺伝性疾患が多く、ゲノム解析に基づく研究開発は個別化医療
の推進に直結する。全ゲノム解析等実行計画 2022 を補完する形で、患者数が非常に
限られている疾患を対象とする。未診断疾患の病名特定率向上および解析プロトコー
ルの効率化を通して、医療実装までの継続的かつ主体的な出口戦略を策定する。
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