【資料1-1】令和8年度研究事業実施方針(AMED研究)(案) (109 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》 |
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【成果の活用】本研究の成果が実用化されれば、HIV 感染の抑制、HIV 感染者の QOL の
改善、医療費負担の軽減が見込まれる。また世界においてもニーズの高い領域である
ことから、世界に先駆けた日本発の医薬品開発に繋がる。
【課題名】HIV 感染者における合併症の診断・治療法に関する研究(令和7~9年度)
【概要】HIV 感染症に合併する日和見感染症の中でも、カポジ肉腫やリンパ腫などの悪
性腫瘍の原因となるヘルペスウイルスや C 型肝炎ウイルス感染などが依然として大き
な問題となっている。特に HIV に重複感染した C 型慢性肝炎例は HCV 単独感染例に比
べて線維化の進行が速いため、有効な治療薬開発が求められている。本研究では、こ
れらの病態解明を含め、特に有効な治療法の開発を推進する。
【成果の活用】新たな治療法として治療の選択肢が広がり、患者の QOL を著しく損なう
合併症の軽減につながる。HIV/HCV 重複感染における肝硬変に対し、肝臓の線維化の
改善が実現すれば、予後の延長が期待できる。
(2)新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要、及び期待される研究成果の政
策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】HIV 感染モデル構築に関する研究
【概要】HIV 感染症根治療法の研究開発の大きな障壁として、in vitro とヒトの間をつ
なぐ適切な感染動物モデルが確立されていないことが挙げられる。完全なヒトの HIV
感染の免疫反応の環境を再現することを最終目的に見据え、免疫反応や薬剤感受性や
耐性誘導など、それぞれの重要な in vivo 反応にフォーカスした、新規薬剤やワクチ
ン判定に資する HIV 感染動物モデルの確立を目指す研究を推進する。
【成果の活用】HIV 感染症の適切な感染モデルが確立されれば、HIV 感染症の新規ワク
チンや新たな治療薬開発の研究に大きく貢献することとなり、HIV/エイズ研究全体が
飛躍的に推進することが期待される。
【課題名】継続的な治療効果の確保のための新規 HIV 治療法創出に関する研究
【概要】HIV 感染症は根治療法が確立していないため、治療開始以降、生涯にわたり内
服を継続しなければならない。HIV 感染者の高齢化、認知症合併などにおいて、経口
による服薬困難な症例が問題となっている。現状の抗 HIV 治療は、1 日 1 回 1 錠を経
口で服用することが主であるが、近年長期作用の注射薬などが認可され、経口以外の
投与方法の選択肢が今後広がる可能性が高まってきた。
本研究では、経口による服薬困難症例に対する新たな非経口投与薬や投与法の開発に
より、継続的な治療効果を得られる新たな治療薬や治療法の開発を目指す。
【成果の活用】非経口的投与法による抗 HIV 療法や長期抗 HIV 作用効果のある新規治療
薬などの治療法の選択肢が広がれば、経口による服薬が困難な HIV 感染者の QOL の大
幅な向上に繋げることができ、安定した抗 HIV 療法の実施が可能となる。
【課題名】排除困難な HIV 持続感染に対する新規治療戦略の創出に関する研究
【概要】HIV 感染症の治癒には、潜伏感染ウイルスを排除することが必要であるが、こ
れまで治療中断のレベルまで残存ウイルスを減らそうと試みたが未だ達成できてい
ない。完全排除を目指すためには、既存の薬剤による治療法以外の戦略が必要である。
既存治療では排除できない HIV 潜伏感染細胞の形成機序を解明することにより、残存
ウイルス排除法の探索を進め、治療中断に至る新たな治療戦略による根治療法の創出
を目指す。
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