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【資料1-1】令和8年度研究事業実施方針(AMED研究)(案) (100 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》
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普及等により、より多くの、適切な移植源からの臓器・組織移植、造血幹細胞移植を実
施することが可能となり、移植医療の予後改善が期待される。また移植後合併症、移植
後再発に対する早期バイオマーカーの創出や予防法・治療法を新規に開発・最適化する
ことによって、依然として高率である合併症等により死に至る患者や QOL の低下に至る
患者が減少することが期待される。
令和8年度末までに、臨床的に実用可能なバイオマーカー等を1件以上開発する。
(2)これまでの研究成果の概要、及び政策等への活用又は実用化に向けた取組
〈臓器・組織移植分野〉
【課題名】IL-6 アンプに基づいた移植腎慢性拒絶と薬剤性腎障害の早期バイオマーカ
ーおよび治療標的の同定のための研究(令和4年度終了)
【概要】移植腎慢性拒絶と薬剤性腎障害に、IL-6 アンプ(過剰 NFκB 活性化)が関与し
ていることを明らかにした。また、それらの拒絶、腎障害について、ステロイドが抑
制効果を持つことも示した。
【成果の活用】移植腎慢性拒絶や薬剤性腎障害発症抑制に活用する。
〈造血幹細胞移植分野〉
【課題名】マルチオミクス解析による移植後免疫再構築の解明と GVHD を予測する分子
遺伝学的バイオマーカーの開発研究(令和4年度終了)
【概要】移植患者の臨床検体スクリーニングから、移植後急性期におけるナイーブ B 細
胞の回復遅延が後の慢性 GVHD の発症と関連すること、移植後シクロホスファミドは
B 細胞新生を促進することを示した。
【成果の活用】GVHD の病態解明と新規予防法の確立によって、特に末梢血幹細胞移植の
合併症の一つである慢性 GVHD に伴う QOL の低下を抑制することが期待される。

2 令和8年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び
期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
〈臓器・組織移植分野〉
【課題名】臨床応用を目指したマージナルドナー及び心停止ドナーからの心臓移植に関
する研究
【概要】国内におけるドナー不足は深刻な問題であり、その解消に資するため、マージ
ナルドナー(高齢者や基礎疾患を有するなど、標準的な条件から適応を拡大したドナ
ー)や心停止ドナーからの心移植の課題の抽出を行う。加えて、摘出心灌流保存・評
価装置の開発を行う。
【成果の活用】マージナル・心停止ドナーからの心臓移植の実施のための指針が作成さ
れることで国内の心移植数の増加が期待されるとともに、他臓器での心停止後ドナー
からの移植にも活用が見込まれる。
〈造血幹細胞移植分野〉
【課題名】改良型制御性 T 細胞による GVL 効果を温存した GVHD 制御法の開発
【概要】 ドナー T 細胞から免疫抑制に特化した高品質の制御性 T 細胞を造血細胞移
植時に投与することで、高い抗腫瘍効果 (GVL 効果 )、効果的な移植片対宿主病
(GVHD) 予防と免疫抑制剤の減量を可能とする革新的な治療法の創生を行う。
【成果の活用】長期的な免疫寛容と免疫系の再構築から、血液がんの再発リスクを抑制
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