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【資料1-1】令和8年度研究事業実施方針(AMED研究)(案) (122 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》
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・研究成果の科学誌(IF5未満等の他の科学誌)への論文掲載状況(管理目標)
【期待されるアウトカム】(※)
質の高い臨床研究論文※の発表や診療ガイドライン等への収載、情報サイトにおける
科学的根拠資料(学術論文やガイドライン、提言等)の公表、利活用可能なデータの公
開・展開、既存のデータベースの活用やシステム連携による基盤整備、
「統合医療特有の
理論体系の整備」などに資する提案。
※質の高い臨床研究論文とは、査読のある学術雑誌に掲載され、かつ米国国立医学図書館が提供する医学・生物学分野の学術文
献データベースに掲載される学術論文を指す。

<KPI>
・臨床的に実用可能なバイオマーカー等の開発件数

5件

(2)これまでの研究成果の概要、及び政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】慢性腎臓病患者に対する酒粕を用いた食事療法による血中の尿毒症物質の減
少効果を明らかとする臨床研究: パイロットランダム化比較試験(令和4~6年度)
【概要】酒粕は電解質異常などの問題を生じる可能性が低く、慢性腎臓病(CKD)患者へ
のプロ・プレバイオティクスとして好ましい特長を有している。本研究では、CKD 患
者に対して酒粕を用いた食事療法による血中の尿毒症物質(インドキシル硫酸:IS)
の減少効果を検証した。CKD 例における8週間の酒粕摂取で血中 IS の変化は確認さ
れなかったが、12 週後で低下する傾向が確認された。酒粕摂取による腸内の代謝産物
の変化及び酒粕に含まれる D-セリンの摂取による腎保護効果を仮説として示した。
【成果の活用】酒粕摂取による新たな CKD 食事療法につなげる。従前の食事制限療法と
異なり、本食事療法は CKD 患者の食の豊かさに寄与できる可能性がある。また、酒粕
に新たな付加価値をもたらし、産業廃棄物削減に貢献できる可能性がある。
【課題名】全身倦怠感のある Long COVID 患者に対する補中益気湯の有効性検証のラン
ダム化比較試験(令和6~8年度)
【概要】Long COVID(COVID-19 罹患後の後遺症状)の全身倦怠感に対する有効性を証明
した介入は未だ開発されていない。本研究では、令和5年度の研究において作成した
臨床研究プロトコールに基づき、全身倦怠感のある Long COVID 患者に対する補中益
気湯の有効性を検証する。
【成果の活用】Long COVID の全身倦怠感で社会生活が傷害されている患者等の負担軽
減となり得る。学業や就業、他の社会生活を向上できる可能性があり、社会的意義が
高い。
【課題名】胃の炎症を緩和する六君子湯の免疫学的作用メカニズムの解明(令和6~7
年度)
【概要】六君子湯の免疫学的役割と作用機序について、細菌叢及び代謝物の解析によっ
て明らかにした。加えて、Long COVID として見られる症状の一つ、胃食道逆流性食道
炎の治療に用いられる六君子湯の科学的根拠を免疫学的観点から明らかにした。
【成果の活用】最終的に胃炎症を呈する患者の適切な選択に加え、より効率的かつ的確
な処方ができるようになることが期待される。

2 令和8年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び
期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
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