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【資料1-1】令和8年度研究事業実施方針(AMED研究)(案) (86 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》
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る研究開発(令和6年度終了課題)
【概要】MRI 画像情報を元に、患者個々の筋腫について非侵襲的にサブタイプの診断・
膠原線維量を推定する予測法の開発を行った。また、MED12 遺伝子変異は子宮筋腫に
おいて膠原繊維の産生増加に関与する可能性があることを明らかにした。
【成果の活用】子宮筋腫のサブタイプを非侵襲的に診断することにより、より有効な治
療薬の選択や適切な治療方針の決定に役立つことが期待される。
【課題名】ライフステージに応じた子宮内膜症の予防・治療のためのエビデンスの創出
(令和5年度終了課題)
【概要】ライフステージに応じた健康問題・課題(子宮内膜症・子宮腺筋症に関連する
稀少部位子宮内膜症等)について、既存の患者レジストリを用いてゲノム情報解析等
を行い、遺伝子変異の特徴を明らかにした。また、子宮腺筋症合併不妊における着床
不全を予測する指標、子宮内膜症を伴う早期の閉経に関連した動脈硬化・骨粗しょう
症リスクの評価指標を同定した。加えて STAT3(シグナル伝達兼転写活性化因子 3)
阻害の作用を有する薬剤が、ホルモン療法抵抗性の子宮腺筋症の新規治療戦略となり
得ることを示した。
【成果の活用】同定された指標による着床不全の事前予測や、エストラジオール、卵胞
刺激ホルモン(FSH)の測定による閉経予測の可能性が見出された。最終的には子宮内
膜症・子宮腺筋症患者の個別化医療へ繋がることが期待される。
【課題名】女性特有の慢性疼痛緩和を目指した痛みの性差形成機構の解明(令和5年度
終了課題)
【概要】男性ホルモン(テストステロン)の投与により、坐骨神経傷害モデルマウスの
雌のみで量依存的にアロディニア(異痛症)が抑制されることを明らかにした。また
坐骨神経傷害後に生じる脊髄ミクログリアの活性化が抑制されることを示し、新規の
疼痛抑制因子の候補を複数見出した。ライブイメージングを用いたミクログリア動態
(形態変化、細胞移動速度、移動方向)の可視化に基づく女性の痛みの評価系を確立
した。
【成果の活用】女性に有効な慢性疼痛治療薬の薬効評価やスクリーニング法への応用が
期待される。

2 令和8年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び
期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】女性ホルモンの影響による更年期以降の疾病の予防・治療に資するライフコ
ース研究(令和6~8年度)
【概要】本研究では、更年期以降の女性の健康に注目し、①早発閉経と後年の疾患発生
との関連及び世代間比較、②女性ホルモン剤、特にホルモン補充療法(HRT)の長期使
用におけるリスクとベネフィットの評価、③更年期以降に発生する疾患・症状のリス
ク因子の探索及びライフコース(若年期から老年期までの生涯を概観)を通じた予防
管理法の開発、④閉経後の FSH レベルの役割の探索、を検討する。特に令和8年度は、
更年期以降における女性ホルモンの影響がある疾患での適切な予防や管理に資する
エビデンスの構築を充実させる必要がある。
【成果の活用】ライフコースを考慮した、エビデンスに基づく、更年期の女性に必要な
ヘルスケアを提示できるようになることが期待される。
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