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【資料1-1】令和8年度研究事業実施方針(AMED研究)(案) (108 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》
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(2)これまでの研究成果の概要、及び政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】中和抗体による HIV 感染症の治癒を目指した研究開発(令和4~6年度)
【概要】中和抗体を用いた HIV 感染症治療法の開発が進められているが、HIV に対する
中和抗体がどのように「HIV 寛解」を誘導するか未だ明らかになっていない。本研究
では、
「HIV 寛解」誘導を目指して、中和抗体と CD4 mimic 小分子を用いた新規治療法
の開発を行った。作製した中和抗体投与により「HIV 寛解」誘導の可能性を示すこと
ができた。中和抗体の活性を増強する CD4 mimic 小分子の有効性が期待できる知見が
得られた。
【成果の活用】本研究の成果は、HIV 寛解に対する中和抗体の作用機序解明による HIV
感染症の実態解明が進むだけでなく、HIV ワクチン並びに抗ウイルス薬開発の基盤と
なり、新たな治療薬等の開発にも貢献することが期待される。
【課題名】革新的核酸解析技術による HIV 潜伏感染機序の解明と克服のための研究(令
和4~6年度)
【概要】HIV 感染症根治には潜伏感染細胞を排除することが必要であるが、HIV 感染者
の体内から HIV 潜伏感染細胞を取り除くことは困難であり、HIV 潜伏感染細胞形成の
メカニズム解明が求められる。そこで、HIV 感染動態を詳細に解析することが可能な
新規感染システムを構築するとともに、潜伏感染細胞の形成、維持のメカニズム解析
から分子を特定し、その分子を標的とした薬剤シーズを特定した。
【成果の活用】HIV 感染動態を詳細に解析することが可能な新規感染システムを用いる
ことにより、今まで解明されていなかった HIV 潜伏感染メカニズムの理解が進み、治
療標的となる新たな分子の特定に繋がった。これにより HIV 感染症の治療薬開発の基
盤となることが期待される。
【課題名】血友病合併 HIV/HCV 重複感染に起因する肝硬変に対する抗線維化治療薬の開
発(令和4~6年度)
【概要】治療薬のない血友病合併 HIV/HCV 重複感染患者における肝硬変に対する抗線維
化治療薬の開発を行った。治験対象薬の血友病合併 HIV/HCV 肝硬変患者に対する安全
性を検討する PhaseⅠ試験が終了し、有効性を確認する PhaseⅡ試験を実施した。
【成果の活用】本剤により、SVR(※)後の患者において非代償性肝硬変への進行を抑制
でき、肝がんの発症を予防することが期待される。また、非代償性肝硬変に進行して
いる場合でも、本剤により予後の改善が期待される。さらに有効な治療薬がない血友
病合併 HIV/HCV 肝硬変患者の治療において本剤が新たな治療の選択肢の一つとして加
わる可能性がある。
※SVR:SVR(Sustained Virological Response):血中 HCV RNA 持続陰性化。

2 令和8年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び
期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】臨床試験開始に到達可能な新規治療ワクチンの開発研究(令和6~8年度)
【概要】近年の治療法の進歩により、HIV に感染しても、その後のエイズ発症を抑制す
ることが可能になってきたが、HIV 根治療法は未だ確立されていない。薬剤耐性ウイ
ルスの出現等の課題も生じており、HIV 感染症の効果的な治療、感染拡大の抑制に効
果の高い新規ワクチン等免疫療法の開発は重要である。本研究では、HIV と宿主との
相互作用を免疫学的観点から解析し、HIV 感染症の治療を目的とした、新規ワクチン
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