【資料1-1】令和8年度研究事業実施方針(AMED研究)(案) (62 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
感染症を含む新興・再興感染症や検疫感染症に対象を拡張する。また、検出手法の標
準化と ISO 化、データの標準化、ゲノム変異の迅速解析技術の開発に取り組む。さら
に、地方衛生研究所等に導入されている小型次世代シークエンサーによる下水中病原
体ゲノム変異の迅速解析技術を開発する。加えて、国際航空機排水・空港下水の検査
による感染症越境流入監視システムを開発する。The Public Health Environmental
Surveillance Open Data Model (PHES-ODM)を通した国際的データ共有体制の構築に
も取り組む。
【成果の活用】空港ターミナルビルなどの排水等の非患者検体を用いた病原体ゲノムサ
ーベイランスシステムを開発し、水際対策に活用する。また、検疫と下水サーベイラ
ンスを組み合わせた感染症越境流入監視システムを構築することを目指す。
【課題名】インフルエンザに対するファビピラビル注射剤の有効性と安全性を探索する
ための第二相医師主導治験(令和6~8年度)
【概要】入院を要するインフルエンザに対するファビピラビル注射剤の有効性と安全性
を探索するための第Ⅱ相医師主導治験を実施する。また既存の抗インフルエンザ薬に
加えてファビピラビル注射剤を5日間投与し、その有効性及び安全性を探索する。
【成果の活用】重点感染症の新たな治療薬や検査技術の開発等に関する臨床研究体制の
確保が期待される。新興・再興感染症発生時における迅速な診療体制の確保、必要な
臨床研究を迅速に開始できる体制の構築に繋がることが期待される。
(2)新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要、及び期待される研究成果の政
策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】節足動物媒介感染症の予防・治療・診断・感染制御に関する研究
【概要】改良したデング熱、ジカ熱、チクングニア熱の診断方法をアルボウイルスネッ
トワークから全国の地衛研に拡大する。デングウイルス、ジカウイルス、チクングニ
アウイルスについて、海外での流行状況の情報収集を実施する。これまで確立した動
物モデルを使用してジカワクチン候補品の評価を引き続き実施する。地衛研と感染研
で組織しているアルボウイルスネットワークの機能を強化し、昆虫媒介性ウイルスの
遺伝子情報の収集と解析、サーベイランス体制の整備を実施する。
【成果の活用】重点感染症である節足動物媒介感染症に対する治療・診断技術、感染予
防・管理等の確立が期待される。また、病原体の病原性、病態形成機序等の解明が期
待される。
【課題名】出血熱アレナウイルス感染症の予防法及び治療法開発のための分子基盤研究
【概要】ウイルス学、有機合成化学、構造生物学、生命情報科学の融合によって、出血
熱アレナウイルス感染症(特にラッサウイルス感染症)の治療法、予防法の研究開発
を行う。抗ウイルス作用を持つ2つの化合物の活性評価を実施し、作用機序が明確で、
より強い抗ウイルス作用を有するリード化合物の取得を目指す。ウイルスの転写・複
製や粒子形成を評価するウイルスフリーなハイスループットスクリーニングシステ
ム を 構 築 す る 。 中 分 子 化 合 物 ス ク リ ー ニ ン グ に よ り 、 PPI ( protein–protein
interaction)阻害を標的とする新たな抗ウイルス候補薬の探索を実現する。マウス
を用いたワクチン研究開発を加速させ、ヒトの T 細胞エピトープの決定に応用可能な
技術基盤を提供する。
【成果の活用】重点感染症であるウイルス性出血熱(出血熱アレナウイルス感染症)に
対する治療・診断技術、感染予防・管理等の確立が期待される。また、病原体の病原
62