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令和5年版厚生労働白書 全体版 (66 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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案、実施し、関係者が努力する中でも少子化は進行し、2005(平成 17)年には合計特殊
出生率が 1.26 と当時の過去最低を記録した。
このように、児童福祉は、現に困窮し、または保育に欠ける児童やその親を支援するも



2

のとして発展してきたが、出生率の低下とともに、これから生まれてくるこどもの数に視
線を向けた少子化対策も担うようになっていった。

福祉制度の概要と複雑化する課題

(2)児童福祉の現状

(社会保障の機能強化のため、社会保障・税一体改革の一項目として、消費税率の引上げ
による増収分も活用して子ども・子育て支援新制度が創設・施行された)
2008(平成 20)年の社会保障国民会議では、社会保障の持続可能性の確保に加えて機
能強化の議論が行われ、少子化対策については、サービスの質・量の抜本的な拡充を図る
ための新たな制度体系を構築することが必要不可欠とされた。社会保障制度改革の議論は
2009(平成 21)年の安心社会実現会議、2010(平成 22)年の社会保障改革に関する有
識者検討会にも引き継がれ、2012(平成 24)年に成立した社会保障・税一体改革関連法
による子ども・子育て支援新制度が 2015(平成 27)年から施行された。
新制度では、①認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付(
「施設型給付」
)及び
小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型保育、事業所内保育への給付(
「地域型保育給付」
)の
創設、②認定こども園制度の改善、③保育が必要なこどものいる家庭だけでなく、全ての家
庭を対象とした、地域の実情に応じた「地域子ども・子育て支援事業」
(利用者支援、地域子
育て支援拠点、放課後児童クラブなど)の充実が、消費税率引き上げによる増収分を活用し
て行われることとなった。2016(平成 28)年度からは、
「仕事・子育て両立支援事業」を創
設し、企業などからの事業主拠出金を財源として、企業主導型保育事業、企業主導型ベビー
シッター利用者支援事業を行い、離職の防止、就労の継続などを推進している(図表 2-1-5)

図表 2-1-5

子ども・子育て支援制度の概要
国主体

市町村主体
子どものための教育・保育給付

子育てのための施設等利用給付

地域子ども・子育て
支援事業

認定こども園・幼稚園・保育所・
小規模保育等に係る共通の財政支援

施設型給付を受けない幼稚園、認
可外保育施設、預かり保育事業等
の利用に係る支援

地域の実情に応じた
子育て支援

施設型給付費

施設等利用費

認定こども園 0~5 歳

施設型給付を受けない
幼稚園

幼保連携型

現物給付

※ 幼保連携型については、認可・指導監
督の一本化、学校及び児童福祉施設とし
ての法的位置づけを与える等、制度改善
を実施

幼稚園型

保育所型

特別支援学校

①利用者支援事業
②延長保育事業
③実費徴収に係る補足給付を
行う事業
④多様な事業者の参入促進・
能力活用事業
⑤放課後児童健全育成事業

地方裁量型

預かり保育事業

保育所
0~5 歳

認可外保育施設等

⑥子育て短期支援事業
⑦乳児家庭全戸訪問事業
⑧・養育支援訪問事業

幼稚園
3~5 歳

※ 私立保育所については、児童福祉法第 24 条
により市町村が保育の実施義務を担うことに
基づく措置として、委託費を支弁

地域型保育給付費
小規模保育、家庭的保育、
居宅訪問型保育、事業所内保育

現金給付

児童手当等
交付金

児童手当法等に基づく
児童手当、特例給付の
給付

資料:子ども・子育て支援新制度の概要

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令和 5 年版

厚生労働白書

・認可外保育施設
・一時預かり事業
・病児保育事業
・子育て援助活動支援事業
(ファミリー・サポート・センター事業)
※認定こども園(国立・公立大学
法人立)も対象

・子どもを守る地域ネット
ワーク機能強化事業
⑨地域子育て支援拠点事業
⑩一時預かり事業
⑪病児保育事業
⑫子育て援助活動支援事業
(ファミリー・サポート・
センター事業)

仕事・子育て
両立支援事業
仕事と子育ての
両立支援
・企業主導型保育事業
⇒ 事業所内保育を主軸
とした企業主導型の
多様な就労形態に対
応した保育サービス
の 拡 大 を 支 援(整 備
費、運営費の助成)
・企業主導型ベビーシッ
ター利用者支援事業
⇒ 繁忙期の残業や夜勤
等の多様な働き方を
し て い る 労 働 者 が、
低廉な価格でベビー
シッター派遣サービ
スを利用できるよう
支援
・中小企業子ども・子育
て支援環境整備事業
⇒ くるみん認定を活用
し、育 児 休 業 等 取 得
に積極的に取り組む
中小企業を支援

⑬妊婦検診

0~3 歳未満 15,000 円
3 歳~小学校修了まで 第 1 子・第 2 子:10,000 円 第 3 子以降:15,000 円
中学校 10,000 円
所得制限限度額(960 万円)~所得上限額(1,200 万円) 5,000 円(特例給付)