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令和5年版厚生労働白書 全体版 (293 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

(1)医薬品産業の競争力強化

医薬品産業を取り巻く環境の変化等を踏まえ、厚生労働省では 2021(令和 3)年 9 月

13 日に「医薬品ビジョン 2021」を策定した。当ビジョンにおいては、「革新的創薬」

「後発医薬品」
、「医薬品流通」を 3 本の柱として、「経済安全保障」の視点を加えた産業政
策を展開していくこととしている。
令和 5 年度税制改正では、研究開発投資に積極的な企業が法人税等を控除できる「研究
開発税制」について、研究開発投資の拡大に対するインセンティブを強化するため、試験
研究費の増減割合に応じて控除上限が変動する制度を導入するとともに、税額控除率の
カーブを見直すこと等を実施することとしており、医薬品産業においても、本税制の積極
的な活用が期待される。
また、少子高齢社会の中で限りある医療資源を有効活用するとともに、国民の健康づく
りを促進する観点から、セルフメディケーション(自主服薬)を推進することが重要であ
り、「セルフメディケーション税制」について、制度の利便性向上や国民への普及啓発に
取り組んでいく。

(2)創薬支援ネットワークの構築

AMED を中心に、(国研)理化学研究所や(国研)産業技術総合研究所といった創薬関連
有望なシーズの選定、治験につなげるための戦略の策定・助言、応用研究や非臨床研究を
中心とした技術的助言等を行うことを通じて、実用化の支援を行っている。

(3)臨床研究・治験環境の整備

革新的な医薬品・医療機器の創出のためには、臨床研究・治験の推進が不可欠である。

厚生労働省では、日本発の革新的医薬品・医療機器の開発などに必要となる質の高い臨床
研究を推進するため、国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担う病院を

医療関連イノベーションの推進

研究機関等とともに創薬支援ネットワークを構築している。同ネットワークにおいては、

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薬基盤・健康・栄養研究所においては、オールジャパンでの創薬支援体制として、



我が国の優れた基礎研究の成果等を確実に医薬品の実用化につなげるため、(国研)医

2015(平成 27)年 4 月から、臨床研究中核病院(2023(令和 5)年 4 月 1 日現在、14 病
院)として医療法上に位置付けている。臨床研究中核病院は、質の高い臨床研究・治験を
自ら実施するだけでなく、他施設における臨床研究・治験の計画立案や実施について支援
する Academic Research Organization(ARO)機能を有することから、ARO 機能を
活用し多くのエビデンスを構築することで、我が国における様々な革新的医療技術の創出
を推進している。
厚生労働省としては、2019(令和元)年に取りまとめられた「臨床研究・治験の推進
に関する今後の方向性について」を踏まえ、更なる臨床研究・治験の推進のため、小児疾
病・難病等の研究開発が進みにくい領域の取組み等を進めている。
また、引き続き、臨床研究中核病院を中心に、研究者が国際共同臨床研究・治験を円滑
に実施するための体制構築や、臨床研究従事者等の養成を行うなど、国内における臨床研
究環境の更なる向上を目指していく。なお、これらの事業については、国民の健康寿命の
延伸の観点から、医療分野の研究開発を政府として総合的に推進するため、2015 年 4 月

令和 5 年版

厚生労働白書

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