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令和5年版厚生労働白書 全体版 (377 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

行前に対象としていた医療費助成の対象疾病である 514 疾病(11 疾患群)から 788 疾病
(16 疾患群)まで対象疾病の拡充を順次進めてきた。
慢性疾患を抱える子どもについては、幼少期から慢性的な疾病にかかっていることによ
り、学校生活での教育や社会性の涵養に遅れが見られ、自立を阻害されている場合がある
ことから、医療面での支援のみならず、社会参加に向けた自立支援等、地域による総合的
な支援の強化を図る「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業」を改正法により 2015 年 1
月から児童福祉法に位置づけたところであり、同法に基づき都道府県等において実施され
ている。また、国立研究開発法人国立成育医療研究センターが運営している小児慢性特定
疾病情報センター(https://www.shouman.jp/)において、子どもやその家族、医療
関係者等に必要な情報を提供している。
さらに、小児期から成人期への移行期にある小児慢性特定疾病児童等への適切な医療の
提供に関する課題を解消するため、移行期医療支援体制整備事業を実施するなど、総合的
な対策を推進している。
また、児童福祉法改正法附則及び難病法附則に基づく施行 5 年後の見直しについて、
2021 年 7 月、厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会及び社会保障審議会児童部会
とめられた「難病・小慢対策の見直しに関する意見書」等を踏まえ、2022(令和 4)年
12 月 16 日に難病法や児童福祉法の一部改正を含む「障害者の日常生活及び社会生活を総
合的に支援するための法律等の一部を改正する法律」(令和 4 年法律第 104 号)が公布さ
れた。同法は 2023(令和 5)年 10 月より順次施行することとされており、施行に向けた
準備を進めている。



3 移植対策について

健康で安全な生活の確保

小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の合同委員会等において取りま

1997(平成 9)年に「臓器の移植に関する法律」
(以下「臓器移植法」という。)が施行

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(1)臓器移植の実施状況

され、死体(脳死した方の身体を含む。
)から、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸、眼
球(角膜)を摘出し、移植を行うことが制度化された。
また、2010(平成 22)年には、「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律」(以
下「改正臓器移植法」という。
)が全面施行され、親族へ臓器を優先的に提供する意思表
示を行うことが可能となったほか、本人の臓器提供に関する意思が不明な場合であって
も、家族の書面による承諾により脳死判定・臓器摘出が可能となり、15 歳未満の小児か
らの臓器提供もできるようになった。
臓器移植の状況を見ると、臓器移植法が施行された 1997 年から 2023(令和 5)年 3 月
末までの間に、臓器移植法に基づき 926 名の方から脳死下での臓器提供が行われている。
近年においては、新型コロナウイルス感染症の影響により減少していたが、令和 4 年度の
脳死下臓器提供件数は過去最高となった(図表 8-6-1)。 今後の更なる臓器提供者数の増
加に備え、臓器提供施設の体制整備や連携強化等を進めている。 また、臓器を提供した
方に対しては、その崇高な心をたたえ、感謝の意を表するため、御家族に対して厚生労働
大臣感謝状を贈呈している。
一方、移植希望登録者数は、2023 年 3 月末現在で 17,835 名となっており、移植を希

令和 5 年版

厚生労働白書

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