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令和5年版厚生労働白書 全体版 (339 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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第2部
図表 8-3-3

現下の政策課題への対応

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律
(令和 4 年法律第 96 号)の概要

改正の趣旨
新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症の発生及びまん延に備
えるため、国又は都道府県及び関係機関の連携協力による病床、外来医療及び医療人材並びに感染症対策物資の確保の強化、保健所や検査等の体制の強化、情報
基盤の整備、機動的なワクチン接種の実施、水際対策の実効性の確保等の措置を講ずる。
改正の概要
1.感染症発生・まん延時における保健・医療提供体制の整備等【感染症法、地域保健法、健康保険法、医療法等】

(1)感染症対応の医療機関による確実な医療の提供
① 都道府県が定める予防計画等に沿って、都道府県等と医療機関等の間で、病床、発熱外来、自宅療養者等(高齢者施設等の入所者を含む)への医療の確保
等に関する協定を締結する仕組みを法定化する。加えて、公立・公的医療機関等、特定機能病院、地域医療支援病院に感染症発生・まん延時に担うべき医療
提供を義務付ける。あわせて、保険医療機関等は感染症医療の実施に協力するものとする。また、都道府県等は医療関係団体に協力要請できることとする。
② 初動対応等を行う協定締結医療機関について流行前と同水準の医療の確保を可能とする措置 ( 流行初期医療確保措置 ) を導入する ( その費用については、
公費とともに、保険としても負担 )。また、協定履行状況の公表や、協定に沿った対応をしない医療機関等への指示・公表等を行うことができることとする。
(2)自宅・宿泊療養者等への医療や支援の確保
① 自宅療養者等への健康観察の医療機関等への委託を法定化する。健康観察や食事の提供等の生活支援について、都道府県が市町村に協力を求めることとし、
都道府県と市町村間の情報共有を進めることとする。さらに、宿泊施設の確保のための協定を締結することとする。
② 外来・在宅医療について、患者の自己負担分を公費が負担する仕組み(公費負担医療)を創設する。
(3)医療人材派遣等の調整の仕組みの整備
○ 医療人材について、国による広域派遣の仕組みや DMAT 等の養成・登録の仕組み等を整備する。
(4)保健所の体制機能や地域の関係者間の連携強化
○ 都道府県と保健所設置市・特別区その他関係者で構成する連携協議会を創設するとともに、緊急時の入院勧告措置について都道府県知事の指示権限を創設
する。保健所業務を支援する保健師等の専門家(IHEAT)や専門的な調査研究、試験検査等のための体制(地方衛生研究所等)の整備等を法定化する。
(5)情報基盤の整備
○ 医療機関の発生届等の電磁的方法による入力を努力義務化 ( 一部医療機関は義務化 ) し、レセプト情報等との連結分析・第三者提供の仕組みを整備する。
(6)物資の確保
○ 医薬品、医療機器、個人防護具等の確保のため、緊急時に国から事業者へ生産要請・指示、必要な支援等を行う枠組みを整備する。
(7)費用負担
○ 医療機関等との協定実施のために都道府県等が支弁する費用は国がその 3/4 を補助する等、新たに創設する事務に関し都道府県等で生じる費用は国が法
律に基づきその一定割合を適切に負担することとする。

2.機動的なワクチン接種に関する体制の整備等【予防接種法、特措法等】

① 国から都道府県・市町村に指示する新たな臨時接種類型や損失補償契約を締結できる枠組み、個人番号カードで接種対象者を確認する仕組み等を導入する。
② 感染症発生・まん延時に厚生労働大臣及び都道府県知事の要請により医師・看護師等以外の一部の者が検体採取やワクチン接種を行う枠組みを整備する。



○ 検疫所長が、入国者に対し、居宅等での待機を指示し、待機状況について報告を求める ( 罰則付き ) ことができることとする。

施行期日

このほか、医療法の平成 30 年改正の際に手当する必要があった同法第6条の5第4項の規定等について所要の規定の整備を行う。

令和6年4月1日(ただし、1の⑷及び2の①の一部は公布日、1の⑷及び⑸の一部は令和5年4月1日、1の⑵の①の一部及び3は公布日から10日を経過した日等)

⑦「With コロナに向けた政策の考え方」(2022 年 9 月 8 日、新型コロナウイルス感染症
対策本部決定)
等を守ることに重点を置いて、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る方針とすること

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とされ、新型コロナウイルス感染症の、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関



オミクロン株の特性等を踏まえ、新たな行動制限は行わず、重症化リスクのある高齢者

健康で安全な生活の確保

3.水際対策の実効性の確保【検疫法等】

する法律(平成 10 年法律第 114 号。以下「感染症法」という。
)上の措置について、高
齢者・重症化リスクのある者への保健医療の重点化と患者の療養期間の見直しを行うな
ど、With コロナに向けた新たな段階への移行が決定された。
⑧「今秋以降の感染拡大で保健医療への負荷が高まった場合の対応について」(2022 年
11 月 18 日、新型コロナウイルス感染症対策本部決定)
感染が著しく拡大し、今冬の季節性インフルエンザとの同時流行も想定した外来等の保
健医療体制の強化等を実施してもなお、保健医療への負荷が高まった都道府県は、地域の
実情に応じた判断により、「医療ひっ迫防止対策強化宣言」を行い、住民及び事業者等に
対して協力要請等行う場合に、国は当該都道府県を「医療ひっ迫防止対策強化地域」と位
置づけ、その取組を支援することが決定された。
⑨「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更等に関する対応方針につい
て」
(2023 年 1 月 27 日、新型コロナウイルス感染症対策本部決定)
「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけについて」
(2023 年 1 月 27 日厚

令和 5 年版

厚生労働白書

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