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令和5年版厚生労働白書 全体版 (306 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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在 1,754 チームが研修修了)。また、災害時に様々な
救護班の派遣調整業務等を行う地域の医師等(災害医
療コーディネーターや災害薬事コーディネーター)の
養成については、災害時に地域単位の細やかな医療
ニーズ等に対応するため、都道府県単位に加えて、地
域単位で実施する研修を支援している。さらに、災害
時における医療機関の被災情報や活動状況など災害医療に関わる情報を提供・収集・共有
するため、広域災害・救急医療情報システム(EMIS)を整備している。
2017(平成 29)年度から業務継続計画(BCP)策定の促進を目的とした研修を実施
し、これまでに 1,129 医療機関、1,915 名が受講している(2022 年 4 月 1 日現在)
。また、
近年の全国各地における台風や豪雨等による被災状況を踏まえ、2022 年度において災害
拠点病院の指定要件に浸水対策を講じることを位置づけた。
2022 年度からは、DMAT 研修に感染症専門医等が監修した内容を盛り込むなど研修
の充実を進めるとともに、2022 年の感染症法等改正法により、DMAT 研修などを受け
た医師・看護師等について、「災害・感染症医療業務従事者」として医療法に位置づけ、
国による研修及び訓練等の支援の規定を設けた。
集団災害発生時における精神保健医療への需要拡大に対応するため、災害派遣精神医療
チーム(DPAT*4)の養成を進めている。2023 年 3 月に一部改正した「災害派遣精神医療
チーム(DPAT)活動要領」に基づき、効率的な派遣システムの構築・運用のため、



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DPAT 事務局の整備や、専門的な研修・訓練による DPAT の全国における養成等を行っ
ている。加えて、東日本大震災や平成 28 年熊本地震において、被災した精神科病院から
の患者受入れや精神症状の安定化等について、災害拠点病院のみでは対応が困難であった

国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現

ことを踏まえ、災害時における精神科医療を提供する上で中心的な役割を担う災害拠点精
神科病院の整備を進めている。
5 へき地・離島医療対策
へき地の医療体制については、都道府県において他事業も含めた総合的な企画・調整を
行いつつ、へき地医療支援機構と地域医療支援センターの統合を視野に入れた連携や一本
化を進め、へき地診療所における住民への医療の提供、へき地医療拠点病院等による巡回
診療や代診医派遣等の対策を充実させるとともに、オンライン診療を含む遠隔医療を活用
することで、へき地保健医療体制の構築に取り組むこととしている。

(3)在宅医療の推進

多くの国民が自宅など住み慣れた環境での療養を望んでおり、人生の最期まで自分らし

い生活を続けることができるように支援する在宅医療提供体制の構築が望まれている。
厚生労働省では、2022(令和 4)年度の「在宅医療及び医療・介護連携に関するワー
キンググループ」において、在宅医療の体制構築に関する見直しの方向性を取りまとめ
*4

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令和 5 年版

DPAT:「Disaster Psychiatric Assistance Team」の略。自然災害や犯罪事件・航空機・列車事故等の集団災害が発生した場合、被災
地域の精神保健医療機能が一時的に低下し、さらに災害ストレス等により新たに精神的問題が生じる等、精神保健医療への需要が拡大す
る。このような場合に、被災地域の精神保健医療ニーズの把握、他の保健医療体制との連携、各種関係機関等とのマネージメント、専門
性の高い精神科医療の提供と精神保健活動の支援活動を行うために、都道府県及び政令指定都市によって組織される、専門的な研修・訓
練を受けた災害派遣精神医療チームが DPAT である。

厚生労働白書