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令和5年版厚生労働白書 全体版 (327 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

算」の加算額を増額し、従前の薬価と遜色ない水準とする対応をとることとした。

第4節

地域包括ケアシステムの構築と安心で質の高い介護保険制度

1 介護保険制度の現状と目指す姿

2000(平成 12)年 4 月に社会全体で高齢者介護を支える仕組みとして創設された介護

保険制度は 2023(令和 5)年で 24 年目を迎えた。
介護保険制度は着実に社会に定着してきており、介護サービスの利用者は 2000 年 4 月
の 149 万人から 2022(令和 4)年 4 月には 517 万人と約 3.5 倍になっている。あわせて
介護費用も増大しており、2000 年度の約 3.6 兆円から、2021(令和 3)年度には 11.3 兆
円となり、高齢化が更に進行する 2040(令和 22)年には約 25.8 兆円*12 になると推計さ
れている。また介護費用の増大に伴い、制度創設時に全国平均 3,000 円程度であった介護
保険料は、現在、全国平均 6,014 円になっており、2040 年には約 9,200 円になると見込
まれている。
「団塊の世代」の全員が 75 歳以上となる 2025(令和 7)年には、高齢化は更に進行し、
およそ 5.6 人に 1 人が 75 歳以上高齢者となり、認知症の高齢者の割合や、世帯主が高齢
者の単独世帯・夫婦のみの世帯の割合が増加していくと推計されている。このような社会

さらに、いわゆる団塊ジュニア世代の全員が 65 歳以上となる 2040 年頃を見通すと、
方、生産年齢人口が急減することが見込まれている。また、都市部と地方では高齢化の進
み方が大きく異なるなど、地域包括ケアシステムの構築に当たっては、これまで以上にそ
れぞれの地域の特性や実情に応じた対応が必要となる。
こうした社会構造の変化にも対応していくため、2024(令和 6)年から開始する第 9
期介護保険事業計画期間に向けて、社会保障審議会介護保険部会において議論が行われ、
2022 年 12 月に、地域包括ケアシステムの深化・推進、介護現場の生産性向上の推進、
制度の持続可能性の確保を内容とした「介護保険制度の見直しに関する意見」が取りまと
められた。
また、この取りまとめを踏まえ、第 211 回通常国会に「全世代対応型の持続可能な社
会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」を提出し、2023 年

国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現

85 歳以上人口が急増し、認知機能が低下した高齢者や要介護高齢者がさらに増加する一

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ム*13」の構築を目指している。



構造の変化や高齢者のニーズに応えるために、2025 年を目途に「地域包括ケアシステ

5 月に成立した。今後は円滑な施行に努めていく。

* 12 「2040 年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」(2018(平成 30)年 5 月)の経済ベースラインケース、計画ベースに
おける推計。
* 13 「地域包括ケアシステム」とは、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことがで
きるよう、医療、介護、介護予防、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制のことをいい、地域の特性に応じて作
り上げていくことが必要となる。

令和 5 年版

厚生労働白書

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