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令和5年版厚生労働白書 全体版 (364 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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義務づけている。

(6)がんと診断された時からの緩和ケアの実施

緩和ケアについては、2017(平成 29)年に「がん等の診療に携わる医師等に対する緩

和ケア研修会の開催指針」を発出し、がん診療に携わる医師などを対象とした基本的な緩
和ケアに関する知識や技術を身につけるための緩和ケア研修を行っている。2022(令和
4)年 9 月末時点で累計約 16 万人がこの研修を修了している。また、拠点病院において、
緩和ケアに関する専門的な知識及び技能を有する医師や看護師などから構成される緩和ケ
アチームや緩和ケア外来を整備し、入院・外来問わず、専門的な緩和ケアを提供するため
の体制が構築されている。このほか、一般国民を対象とした、緩和ケアや医療用麻薬に関
する正しい知識を身につけるための普及啓発にも取り組んでいる。

(7)がん患者の治療と仕事の両立の推進

がん医療の進歩により、がんは長く付き合う病気となり、がん患者・経験者が、働きな

がらがん治療を受けられる可能性が高まっている。このため、がんになっても安心して生
健康で安全な生活の確保



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活し、尊厳を持って生きることのできる地域共生社会の構築が重要となっている。2016
(平成 28)年 2 月には、企業における治療と仕事の両立支援の取組みを促進するため、
「事
業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」を策定した(2019(平成
31)年 3 月改称)
。また、2017(平成 29)年度に、がん患者などのおかれた事情を総合
的に把握するためのツールとして、
「治療と仕事両立プラン」を開発し、2018(平成 30)
年度より、そのプランを活用した就労支援を行う「がん患者の仕事と治療の両立支援モデ
ル事業」を実施した。同モデル事業のノウハウを各地に広めていけるよう「がん患者の就
労に関する総合支援事業」などの取組みを行っている。第 4 期基本計画においても、「が
んとの共生」を柱の一つとして位置づけ、がん患者等の社会的な問題への対策として引き
続き、就労支援について取り組むとしており、医療機関等と産業保健との一層効果的な連
携等について検討を行い、がん患者の就労支援を推進していく。

(8)がん研究の推進

がん研究は、文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣の 3 大臣確認の下、2014(平

成 26)年 3 月に策定した「がん研究 10 か年戦略」を基軸として、健康・医療戦略に基づ
く医療分野の研究開発に関する方針を踏まえ、根治を目指した治療法の開発に加え、患者
とその家族等のニーズに応じた苦痛の軽減や、予防と早期発見、がんとの共生といった観
点を重視して推進している。また、本戦略に基づき、
「ジャパン・キャンサーリサーチ・
プロジェクト」として、基礎研究の有望な成果を臨床研究などへ導出し、がん医療の実用
化を加速させてきた。2019(平成 31)年 1 月より、
「今後のがん研究のあり方に関する
有識者会議」を開催し、これまでのがん研究の評価や今後のあるべき方向性などを議論
し、同年 4 月に「
「がん研究 10 か年戦略」の推進に関する報告書(中間評価)」を取りま
とめた。本中間評価に基づき、科学技術の進展や臨床ニーズに見合った研究を推進してい
く。

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令和 5 年版

厚生労働白書