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令和5年版厚生労働白書 全体版 (349 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

熱への行政対応の手引き」を作成し、都道府県などへ周知を行ってきた。

(3)中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory Syndrome:MERS)対策
について
2012(平成 24)年以降、サウジアラビアやアラブ首長国連邦などの中東地域の国々を

中心に、中東呼吸器症候群(MERS)の患者が報告されており、2022(令和 4)年 10 月
31 日時点で、2,600 人の患者(うち、935 人が死亡)が確認されている。また、世界各
国においても輸入症例が報告されている。
ヒトコブラクダが感染源の動物であるといわれており、高齢者や糖尿病などの基礎疾患
のある者で重症化しやすく、患者から医療機関受診者や医療従事者などへの感染といった
限定的な人から人への感染も確認されている。
MERS は、検疫法(昭和 26 年法律第 201 号)に基づく検疫感染症に位置づけられてお
り、水際対策として中東地域からの渡航者や帰国者に対して必要に応じ健康監視を実施し
ているほか、ポスターやリーフレットで注意喚起を実施している。引き続き、中東地域へ
の渡航に関する注意喚起や感染が疑われる患者に対する迅速な行政対応等を適切に行って

(4)厚生労働省の取組みについて

感染症対策においては、発生後速やかに患者を治療し、まん延を防止することが重要で

あるため、国や都道府県では、感染症法上のエボラ出血熱を含む一類感染症の患者の入院
を担当する特定感染症指定医療機関や第一種感染症指定医療機関の整備を進めており、
2019(平成 31)年 4 月 1 日時点で全ての都道府県(2021(令和 3)年 10 月 1 日 56 医療



機関 112 床)において設置が完了している。

健康で安全な生活の確保

いる。

また、海外の研究機関から分与されたエボラ出血熱ウイルス等の一類感染症の病原体を

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もとに国立感染症研究所(BSL-4)において患者の診断のための検査法の整備を行った。
加えて、エボラ出血熱を始めとした、国内でほとんど経験することのない感染症につい
て海外で医療研修を行う「一類感染症等予防・診断・治療研修事業」を実施しており、さ
らに、国際的に脅威となる感染症の危機管理対応で中心的な役割を担う将来のリーダーを
育成するため、2015(平成 27)年度から「感染症危機管理専門家(Infectious Disease
Emergency Specialist:IDES)養成プログラム」を開設し、国立感染症研究所や WHO
等の国内外の関係機関と連携して、人材育成に努めている。

2 麻しん・風しん対策について

麻しんについては、2015(平成 27)年 3 月 27 日に WHO 西太平洋地域事務局により

日本が排除状態にあることが認定された一方で、海外渡航歴のある者や海外からの入国者
を発端とする麻しんの集団発生が散発しており、注意喚起を行うとともに普及啓発を継続
している。
風しんについては、2018 年(平成 30)に患者数が増加したことを受けて、同年 12 月
に「風しんに関する追加的対策」を取りまとめ、これまで定期の予防接種を受ける機会が
なく、抗体保有率が他の世代と比べて低い 1962(昭和 37)年 4 月 2 日から 1979(昭和

令和 5 年版

厚生労働白書

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