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令和5年版厚生労働白書 全体版 (288 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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6 章 医療関連イノベーションの推進

第1節

医療 DX 等の推進

我が国では、世界に先駆けて超高齢社会に直面しており、健康寿命の延伸や社会保障制
度の持続可能性の確保という問題に国を挙げて取り組む必要がある。
このため、厚生労働省においては、2017(平成 29)年 1 月に、厚生労働大臣を本部長
とする「データヘルス改革推進本部」を設置し、健康・医療・介護分野のデータの有機的
な連結や、ICT 等の技術革新の利活用の推進により、国民の健康寿命の延伸や効果的・
効率的な医療・介護サービスの提供を目指している。2021(令和 3)年 6 月に、2025
(令和 7)年度末までに取り組む 5 年間の工程を明確化した「データヘルス改革に関する
工程表」を策定し、現在はこの工程表に沿って取組みを進めている*1。
また、今般の新型コロナウイルス感染症流行への対応を踏まえ認識された課題として、
平時からのデータ収集の迅速化や収集範囲の拡充、医療のデジタル化による業務効率化や
データ共有を通じた医療の「見える化」の推進等により、次の感染症危機において迅速に


効率化や質の向上により、国民の保健医療の向上を図るなど、我が国の医療の将来を大き

医療関連イノベーションの推進

医療 DX*2 は、医療分野でのデジタル・トランスフォーメーションを通じたサービスの



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対応可能な体制を構築できることとしておくことが急務となっている。

く切り拓いていくものであり、その実現(図表 6-1-1)に向けて、総理を本部長とする医
療 DX 推進本部を 2022(令和 4)年 10 月に設置し、「全国医療情報プラットフォームの
創設」

「電子カルテ情報の標準化等」及び「診療報酬改定 DX」を 3 本の柱とし、省庁横
断的に取り組むこととしている。
厚生労働省としては、上記の 3 つの取組みを進めるために、データヘルス改革推進本部
に厚生労働大臣をチーム長とする「医療 DX 令和ビジョン 2030」厚生労働省推進チーム
を 2022 年 9 月に設置し、具体化に向けた検討を行っている。
(医療 DX において具体的に推進すべき施策)
①「全国医療情報プラットフォームの創設」
オンライン資格確認等システムのネットワークを拡充し、レセプト・特定健診等情報に
加え、予防接種、電子処方箋情報、自治体検診情報、電子カルテ等の医療(介護を含む)
全般にわたる情報について共有・交換できる全国的なプラットフォームを創設に向けて取
*1

2022(令和 4)年度のデータヘルス改革に係る主な取組みは以下のとおり。
・ゲノム医療の推進について、「全ゲノム解析等実行計画 2022」を策定。
・AI 活用の推進について、創薬 AI プラットフォームの構築等、及び「ロードブロック解消に向けた工程表」及び「俯瞰図に基づく AI 開
発促進のための工程表」の見直しを実施。
・自身のデータを日常生活改善等につなげる PHR の推進について、マイナポータル等を通じた個人へのデータ提供に関して、自治体検診
情報、診療情報、電子処方箋の処方・調剤情報の提供を新たに開始。
・患者の保健医療情報を患者本人の同意により全国の医療機関等において確認できる仕組みについて、新たに診療情報を確認できるよう
システム改修等を実施。また、電子処方箋の運用を開始。
・レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)について、居住地情報や所得階層情報などの収載提供情報の拡大や、医療・介
護データ等の解析基盤(HIC)の試行的利用を開始するとともに、DPC データベースとの連結解析を開始。
* 2 医療 DX とは、保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・治療・薬剤処方、診断書等の作成、診療報酬の請求、医療介
護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発等)において発生する情報やデータに関し、全体最適された基盤を構築し、活用すること
を通じて、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良
質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えていくことと定義している。

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令和 5 年版

厚生労働白書