よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和5年版厚生労働白書 全体版 (367 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

第2部

現下の政策課題への対応

踏まえ、厚生労働省では、関係省庁の協力を得て、産学官等連携による食環境づくりの推
進体制として、「健康的で持続可能な食環境づくりのための戦略的イニシアチブ」を
2022(令和 4)年 3 月に立ち上げた(図表 8-4-3)
。本イニシアチブでは、事業者がビジ
ネスを通じて栄養課題等に取り組むことについて、産学官等が連携して支援するととも
に、各事業者の行動目標、進捗、成果等を社会に広く見える化する仕組みとしている。本
イニシアチブの特徴として、環境・社会・企業統治(ESG)評価など、事業者の社会的
評価の向上や、それを通じた更なる事業機会の拡大と連動して、栄養課題等の解決を図っ
ていくことを目指していることが挙げられる。
図表 8-4-3 「健康的で持続可能な食環境づくりのための戦略的イニシアチブ」の概要
健康的で持続可能な食環境の実現に向けた社会実装エコシステムの構築と展開
• 厚生労働省での有識者検討会※1や、東京栄養サミット 2021 の日本政府コミットメントを踏まえて設置する「健康的
で持続可能な食環境戦略イニシアチブ※2」では、食塩の過剰摂取、若年女性のやせ、経済格差に伴う栄養格差等の栄
養課題や環境課題を重大な社会課題として捉え、産学官等※3の連携・協働により、誰もが自然に健康になれる食環境
づくりを展開します。日本はもとより、世界の人々の健康寿命の延伸、活力ある持続可能な社会の実現を目指します。
※1 自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会(2021 年2月~6月計4回開催、座長:武見ゆかり女子栄養大学大学院研究科長)
※2 正式名称:「健康的で持続可能な食環境づくりのための戦略的イニシアチブ」
※3「産」は、食品製造事業者、食品流通事業者、メディア等、多様な業種を含む。

※4 Specific(具体的)
、Measurable(測定可能)
、Achievable(達成可能)、Relevant(関連のある)
、Time-bound(期限のある)

実施内容



8



• イニシアチブとしてのゴール策定
-東京栄養サミット 2021 での食環境づくりに関する日本政府コミットメントを踏まえた、産
学官等で協働すべき効果的な取組の特定、行動ロードマップの策定等
• 食環境づくりに資する研究・データ整備等の推進
-日本及びアジアの食生活や栄養課題に適合した栄養プロファイリングシステムの検討
-消費者への効果的な訴求方法、販売方法等に関する実証等
• 各参画事業者の SMART 形式の行動目標に関する PDCA プロセス支援
-産学官等の間における情報交換等の場・機会の設定
-同業種・異業種間の情報交換・意見交換(連携機会の創出)
-国(厚生労働省等)、研究所等との情報交換・意見交換(事業リスク回避の上で参考となる
栄養面・環境面の国際動向等の共有を含む。)等
-金融機関関係者等との情報交換等の場・機会の設定
-機関投資家等アドバイザーとの情報交換・意見交換等
• 国内外に向けた情報発信

健康で安全な生活の確保

• 参画事業者は SMART※4形式の行動目標と評価指標を自ら設定しつつ、より効果的な方策を、イニシアチブ参画事業
者同士で検討し、協働することにより、誰もが自然に健康になれる食環境づくりを目指します。

栄養・食生活に関する取組みを広く国内で普及するためには、その実践に向けた人材育
成を併せて実施することが重要となる。厚生労働省では、今後の超高齢社会の更なる進行
を見据え、2020 年度から、地域包括ケアシステムの推進に係る食環境づくりの一環とし
て、調理師が医療・介護施設のみならず、飲食店などでも、対象者の嚥下機能・栄養状
態・嗜好等を踏まえた嚥下調整食を適切に調理できるような研修事業を行っている。ま
た、がん、腎臓病、摂食嚥下、在宅等、特定の領域別に特化した知識・技術を深めた管理
栄養士を育成するため、管理栄養士専門分野別人材育成事業を実施している。

(2)身体活動・運動

身体活動・運動には、生活習慣病に至るリスクを下げる効果があるため、厚生労働省で

は、「健康日本 21(第二次)」において、①日常生活における歩数の増加、②運動習慣者
の割合の増加、③住民が運動しやすいまちづくり・環境整備に取り組む自治体数の増加に

令和 5 年版

厚生労働白書

353