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令和5年版厚生労働白書 全体版 (358 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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れている。2014(平成 26)年には、国内でデング熱に感染した事例が約 70 年ぶりに確
認され、東京都内の都市型公園などで感染したと推定される事例が 162 例報告された。
また、2019(令和元)年には国内感染事例が那覇市で 1 例(推定)、東京都で 3 例報告さ
れた。
厚生労働省では、蚊媒介感染症に関して渡航者や帰国者に対する注意喚起や情報収集を
行っている。

(3)ダニ媒介感染症

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、つつが虫病、日本紅斑熱などのダニが媒介する

感染症については、日本国内に広く生息するマダニがその病原体を媒介している。野外作
業や農作業、レジャー等で、これらのダニの生息場所に立ち入ると、ダニに咬まれること
がある。ダニに咬まれない予防措置を講じるとともに、仮に症状が出た場合には、早期に
医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要であることから、厚生労働省では、従
前より予防啓発資材を活用した注意喚起を行っている。
SFTS については、2013(平成 25)年 1 月に国内で初めて感染者が確認されて以降、
健康で安全な生活の確保



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西日本を中心に、2022(令和 4)年 7 月 31 日現在、28 都府県で 763 人の感染者(うち死
亡者 92 人)が報告されており、マダニの活動が活発な春から秋にかけて感染者が多く発
生している。感染者の多くは、マダニに咬まれて感染すると考えられるが、稀に、発症し
たネコやイヌの体液などを介してヒトに感染することから、厚生労働省では、獣医療関係
者などに、感染予防措置を講じるよう注意喚起を行っている。
また、2021(令和 3)年 9 月には、北海道において、マダニが媒介する新たな感染症
の原因ウイルスが発見され、エゾウイルスと命名された。2014(平成 26)年から 2020
(令和 2)年までの 7 年間に少なくとも 7 名の感染者が発生していたことが判明し、野生動
物にも感染していたことから、北海道にウイルスが定着していると示唆されている。厚生
労働省では、これらのダニ媒介感染症について注意喚起や情報収集を行うとともに、調査
研究を推進している。

9 HTLV - 1 対策について

ヒト T 細胞白血病ウイルス- 1 型(HTLV - 1)の感染者は、全国に約 70 万~80 万人

いるとの推定が報告されており、そのうち一部の患者については、成人 T 細胞白血病
(ATL)や HTLV - 1 関連脊髄症(HAM)といった重篤な疾病を発症する。
2010(平成 22)年 12 月に取りまとめられた「HTLV - 1 総合対策」において、国は、
地方公共団体、医療機関、患者団体などと密接な連携を図り、総合対策を強力に推進する
こととされている。
具体的な対策として HTLV - 1 抗体検査を妊婦健康診査の標準的な検査項目に追加し、
2011(平成 23)年度から、HTLV - 1 母子感染対策事業として、都道府県において
「HTLV - 1 母子感染対策協議会」を開催するとともに、医師、助産師、市町村職員など
に対しての研修や妊婦などへの普及啓発を実施している。また、都道府県等に対して、保
健所における HTLV - 1 検査や相談への補助事業を行うとともに、厚生労働省のホーム

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令和 5 年版

厚生労働白書